派遣先が合わないと感じたらどうする?すぐ辞める前に確認したい7つのこと
「派遣先が自分に合わない」
「派遣先の上司と合わない」
「仕事が思っていたよりきつい」
「教育担当者とうまくいかない」
「まだ働き始めたばかりだけど辞めたい」
派遣先で働き始めて、このように悩んでいませんか?
私は派遣業界で20年以上働き、採用、派遣スタッフのフォロー、現場管理、総務人事、管理職などを経験してきました。
最大で約250名の派遣社員を担当・管理する中で、
「この派遣先は自分には合いません」
という相談も数多く受けてきました。
詳しく話を聞いてみると、相談内容は大きく、
「仕事が合わない」
「人が合わない」
の2つに分かれることが多くありました。
実際に、働き始めて数日で「辞めたい」と相談されたこともあります。
一方、教育担当者の変更や配置変更などによって問題が改善し、そのまま働き続けられたケースもあります。
そのため私は、「派遣先が合わない=すぐ辞める」ではないと考えています。
ただし、ハラスメントが疑われる、安全上の重大な問題がある、事前に説明された仕事内容と実際の業務が大きく違うなどの場合まで我慢する必要はありません。
この記事では、派遣業界で20年以上働いてきた経験から、派遣先が合わないと感じたときに確認したい7つのことと、上司や教育担当者と合わない場合の対処法を解説します。
派遣先が合わない理由は大きく「仕事」と「人間関係」
「派遣先が合わない」と感じても、その原因によって対処方法は変わります。
私が相談を受ける際も、最初に、
「具体的に何が合わないのですか?」
と確認していました。
例えば「仕事が合わない」なら、
- 仕事内容が難しい
- 体力的にきつい
- 作業スピードについていけない
- 仕事を教えてもらえない
- 事前説明と実際の仕事内容が違う
- 同じ作業の繰り返しが苦手
などが考えられます。
事前説明との違いが気になる場合は、関連記事の「派遣の仕事内容が聞いていた話と違う場合の確認方法」も参考にしてください。
人間関係なら、
- 派遣先の上司と合わない
- 教育担当者と合わない
- 派遣先社員とうまくいかない
- 同じ派遣社員とうまくいかない
- 職場で孤立している
- ハラスメントが疑われる
など、原因はさまざまです。
つまり最初に必要なのは、「派遣先が合わない」という漠然とした悩みを具体化することです。
派遣先の上司と合わない場合はどうする?
派遣先の上司と合わないことで「もう辞めたい」と感じることもあります。
ただし、まず確認したいのは、
「性格が合わない」のか「仕事上の問題が起きている」のか
です。
例えば、
「話し方が苦手」
「考え方が合わない」
というだけなら、仕事上必要なコミュニケーションに絞ることで働き続けられる場合があります。
一方、
「自分だけ強い口調で注意される」
「必要な指示をもらえない」
「人格を否定するようなことを言われる」
「仕事を与えてもらえない」
となれば話は別です。
派遣先の上司に直接言いにくいなら派遣会社へ相談する
ここは派遣社員の特徴を活かしてほしいところです。
派遣社員には派遣会社という相談先があります。
派遣先の上司本人に、
「あなたとは合いません」
と直接伝える必要はありません。
派遣会社の担当者へ、
「○月○日に○○と言われました」
「質問しても回答してもらえない状態が続いています」
など、実際に起きていることを具体的に伝えてください。
担当者が状況を確認したうえで、派遣先と調整できる可能性があります。
教育担当者と合わない場合
派遣スタッフからの人間関係相談では、教育担当者との関係が問題になるケースもありました。
例えば、
「質問しづらい」
「聞いても教えてくれない」
「一度説明したから分かるでしょうと言われる」
「他の人と自分への対応が違う」
などです。
この場合も、いきなり退職するのではなく、派遣会社へ状況を相談してください。
私は実際に、状況を確認したうえで教育担当者を変更してもらうなどの調整を行ったことがあります。
仕事そのものが嫌なのではなく、教育担当者との関係だけが原因なら、担当者が変わることで状況が改善する可能性があります。
仕事を教えてもらえず放置されている場合は、「派遣で仕事を教えてもらえない!放置される5つの原因と対処法」も確認してください。
教育担当者との相性だけでなく、仕事を教えてもらえない、質問しても対応してもらえないといった問題がある場合は、教育体制そのものに原因がある可能性もあります。
派遣先で放置される原因や、担当者へ相談する方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
派遣先社員や同じ派遣社員と合わない場合
上司や教育担当者だけでなく、派遣先社員や同じ派遣社員との人間関係で悩むケースもあります。
例えば、
「陰口を言われる」
「グループに入れない」
「自分だけ扱いが違う」
「必要な情報を教えてもらえない」
といった相談です。
この場合も重要なのは、
「嫌われていると思う」ではなく、実際に何が起きているのか
を整理することです。
日時、相手、発言、状況などをできるだけ具体的にして担当者へ相談してください。
詳しくは「派遣先の人間関係がつらいときどうする?辞める前に試したい対処法」で解説しています。
職場で孤立している、陰口を言われる、特定の人から冷たい対応を受けるなど、人間関係の悩みはさまざまです。派遣先の人間関係で悩んだときの具体的な対処法については、こちらの記事も参考にしてください。派遣先の人間関係がつらいときどうする?辞める前に試したい対処法
派遣先が合わないときに確認したい7つのこと
① 聞いていた仕事内容と本当に違うのか確認する
「仕事内容が違う」と感じたら、
自分が想像していた仕事内容との違い
なのか、
事前に説明された就業内容と実際の業務との違い
なのかを分けて考えてください。
これは意味が大きく違います。
私は相談を受けた際、本人から詳しく状況を聞き、必要に応じて派遣先へ確認していました。
実際に説明された内容と大きく違うのであれば、
「事前には○○と説明を受けましたが、現在は○○を担当しています」
と具体的に派遣会社へ伝えてください。
事前に説明された仕事内容と実際の業務が違う場合は、まず労働条件通知書や就業条件明示書を確認し、派遣会社へ相談しましょう。
具体的な確認方法や相談時の伝え方については、関連記事で詳しく解説しています。
派遣の仕事内容が聞いていた話と違う!まず確認することと相談方法
② 体力的にきつい場合は「慣れ」と「無理」を分ける
製造業などでは、
立ち仕事、繰り返し作業、重量物、暑さ・寒さ、長い歩行距離など、求人票だけでは分かりにくい身体的負担があります。
新しい仕事なので数日間疲れることと、安全・健康面で継続が難しいことは分けて考える必要があります。
「慣れるまで頑張る」と「無理をする」は違います。
強い痛みや体調不良などがある場合は、無理に続けず担当者へ相談し、必要に応じて医療機関などの専門家にも相談してください。
③ 働き始めたばかりなら原因を整理する
働き始めたばかりの時期は、
仕事を覚えていない、人間関係ができていない、職場のルールが分からない、周囲の性格が分からない状態です。
そのため、最初の印象だけでは判断しにくいことがあります。
一方、「とりあえず3か月我慢すればいい」という意味でもありません。
大切なのは期間ではなく、何が問題なのかです。
④ 人間関係は「誰が悪いか」より「何が起きたか」を整理する
人間関係で問題が起きると、
「あの人が悪い」
と考えてしまうことがあります。
実際に相手側に問題があるケースもあります。
一方、
説明不足、コミュニケーション不足、認識の違い、仕事上必要な注意を「嫌われている」と受け取っているケースなどもあります。
だから私は、
誰が悪いかを最初に決めるのではなく、何が起きているのかを確認する
ことが重要だと考えています。
ハラスメントは「相性」で済ませない
ただし、
人格を否定する言動、性的な言動、身体的な攻撃、継続的な嫌がらせなどまで「相性が悪い」で済ませるべきではありません。
ハラスメントが疑われる場合は早めに相談してください。
可能なら、
日時・場所・相手・具体的な言動・その場にいた人
などを整理しておくと、派遣会社側も状況確認を行いやすくなります。
⑤ 派遣会社の担当者へ具体的に相談する
担当者へ、
「もう無理です」
「合いません」
だけ伝えても、原因が分からなければ対応方法を判断できません。
例えば、
「職場見学では○○と説明されましたが、実際は○○の作業をしています」
のように、事実を具体的に伝えることが重要です。
私が相談を受けた際も、
本人 → 派遣先担当者 → 職場上司 → 必要に応じて周囲
というように状況を確認していました。
一方の話を疑うためではありません。
双方の認識が食い違っていることがあるからです。
派遣会社へ相談しても対応してもらえない場合は、「派遣会社の担当者が動いてくれないときの対処法」も参考にしてください。
派遣会社へ相談しても連絡がない、派遣先との調整をしてもらえない場合は、担当者だけでなく営業所の責任者などへ相談することも検討してください。
担当者の変更については、こちらの記事で解説しています。派遣会社の担当者は変更できる?合わない・動かないときの対処法
⑥ 配置・部署・教育担当の変更で解決できないか確認する
「今の部署が合わない」と「派遣先そのものが合わない」は別です。
私は実際に、
配属先を変更して仕事内容が変わり、そのまま働き続けられたケース
を経験しています。
ほかにも状況によって、
- 配置変更
- 部署変更
- 教育担当者変更
- 業務内容の調整
などで改善する可能性があります。
派遣先の状況によって対応できない場合もありますが、
「変更できる可能性はありますか?」
と派遣会社へ相談する価値はあります。
⑦ 改善できないなら今後について担当者と相談する
相談や調整を行っても改善しない場合は、今後について派遣会社と相談します。
ただし、契約途中の場合などは、自分だけで「明日から行きません」と判断するのではなく、まず契約内容を確認して派遣会社へ相談してください。
一方で、
- ハラスメントが疑われる
- 安全上の重大な問題がある
- 事前説明と実際の業務に大きな違いがある
- 健康上、継続が難しい
といったケースまで無理に我慢する必要はありません。
安易に辞めないことと、無理をして働き続けることは別です。
派遣先との調整を行っても問題が改善せず、次回の契約更新を希望しない場合は、契約満了日や担当者へ伝える時期を確認しましょう。
契約更新を断る際の伝え方や注意点については、こちらの記事で詳しく解説しています。派遣の契約更新を断るには?いつまでに伝える?タイミングと注意点
派遣先が合わないときの相談例
担当者へどう伝えればいいか分からない場合は、次のように整理すると伝わりやすくなります。
「派遣先が合わないと感じているため相談したいです。特に教育担当者との関係で困っています。○月○日に質問したところ○○と言われ、その後も質問しづらい状態が続いています。すぐに辞めたいということではなく、担当者変更など改善できる方法がないか相談したいです。」
ポイントは、
感情 → 事実 → 現在困っていること → 希望する対応
の順番で伝えることです。
「派遣先が合わない=自分がダメ」ではない
私は多くの派遣社員を見てきましたが、
ある職場ではうまくいかなかった人が、別の職場では長く働けた
というケースがあります。
仕事には向き不向きがありますし、人にも相性があります。
重要なのは、
「なぜ今回の派遣先が合わなかったのか」
を理解することです。
原因が分かれば、次に派遣会社から仕事を紹介されたときに、
「立ち仕事が少ない職場がいい」
「教育体制が整った職場がいい」
「一人で進める作業が多い職場がいい」
など、希望条件を具体的にできます。
失敗で終わらせず、次の仕事選びの条件に変えることが重要です。
まとめ|派遣先が合わないときは「辞める・我慢する」の二択にしない
派遣先が合わないと感じたとき、最初にすることは退職を決めることではありません。
まず、
仕事・上司・教育担当・人間関係・職場環境のどこに問題があるのか
を具体的にしてください。
そのうえで派遣会社の担当者へ相談します。
配置変更、教育担当者変更、業務調整などによって改善できることもあります。
一方、ハラスメント、安全上の重大な問題、健康上の問題などがある場合まで我慢する必要はありません。
私が派遣業界で20年以上働いてきて伝えたいのは、
「すぐ辞める」か「我慢して続ける」かの二択ではない
ということです。
まず相談する。
事実を確認する。
改善できるか考える。
それでも難しければ、次の選択肢を派遣会社と相談する。
この順番で考えてみてください。
そして一つの派遣先が合わなかったからといって、すべての仕事が合わないわけではありません。
今回分かった「自分に合わなかった理由」を、次の仕事選びに活かしてください。

