派遣の職場見学で何を質問する?数百回同行した担当者が教える質問10選
「派遣の職場見学では何を質問すればいい?」
「何か質問はありますか?と聞かれたらどう答える?」
「質問しないと印象が悪くなる?」
初めて派遣の職場見学へ行く人にとって、意外と困るのが最後の質問ではないでしょうか。
私は派遣業界で20年以上働き、派遣管理、現場管理、総務・人事、管理職などを経験してきました。
その中で職場見学には数百回同行しています。
多くの人を見てきて感じるのは、職場見学へ行く前に準備している人と、ほとんど準備していない人では、
「質問の内容」が大きく違う
ということです。
準備している人は、
「この仕事を自分が続けられるか」
を確認する質問をします。
一方、準備していない人は、
「特にありません」
で終わったり、何となく思いついた質問をしたりすることがあります。
ただし、勘違いしてほしくありません。
職場見学で質問する目的は、
派遣先に気に入ってもらうことだけではありません。
これから毎日働く可能性がある職場です。
仕事内容。
職場環境。
教育方法。
残業。
休日出勤。
仕事の難しさ。
こうした求人票だけでは分からない部分を確認することが重要です。
今回は、数百回の職場見学に同行してきた経験から、私なら職場見学で確認してほしいと思う質問10選を紹介します。
まず知ってほしい|職場見学は「面接」とは違う
質問を紹介する前に、大切なことがあります。
一般的な労働者派遣では、職場見学と採用面接は同じものではありません。
紹介予定派遣などを除き、派遣先が派遣労働者を特定することを目的として、派遣開始前に面接したり、履歴書を要求したりすることには制限があります。
一方で、派遣で働こうとする本人が希望して、事前に職場を訪問することは可能です。
ですから、
「面接官に評価されるための完璧な質問を考えなければ」
と必要以上に緊張する必要はありません。
私が質問を準備してほしい理由は、
自分がその職場で働けるか判断するため
です。
質問①「一日の仕事の流れを教えていただけますか?」
私なら、まずこれを聞きます。
求人票には、
「製造業務」
「検査」
「機械オペレーター」
などと書かれていても、一日の具体的な流れまでは分からないことがあります。
例えば、
出勤。
朝礼。
作業準備。
午前の作業。
休憩。
午後の作業。
清掃。
引き継ぎ。
退勤。
この流れが分かるだけでも、実際に働く姿を想像しやすくなります。
さらに、
「一日の中で一番忙しい時間帯はありますか?」
と聞いてもいいでしょう。
仕事内容を「点」ではなく「一日」で確認する。
これがポイントです。
質問②「未経験の場合、最初はどの仕事から始めますか?」
未経験の仕事なら、私はぜひ聞いてほしいと思います。
求人票に、
「未経験OK」
と書かれていたとします。
しかし、
未経験者が実際にどう仕事を覚えるのか
までは分かりません。
初日から現場へ入るのか。
研修があるのか。
先輩社員について覚えるのか。
マニュアルがあるのか。
最初は簡単な工程から始めるのか。
ここは職場によって違います。
「未経験でも大丈夫ですか?」
だけでは、
「大丈夫ですよ」
で終わってしまう可能性があります。
そこで、
「未経験の場合、最初はどの作業から担当することが多いですか?」
と具体的に聞いてみてください。
より現実的な回答を聞けると思います。
質問③「仕事を一人でできるようになるまで、どのくらいかかりますか?」
これもおすすめです。
例えば、
「1週間くらい」
「1カ月程度」
「3カ月くらい」
など、目安を聞ける場合があります。
もちろん、人によって仕事を覚えるスピードは違います。
だから回答通りになるとは限りません。
重要なのは、
会社側がどの程度の期間を想定して教育しているのか
を知ることです。
もし、
「すぐ覚えてもらいます」
と言われたら、
「具体的にはどのくらいでしょうか?」
ともう一段聞いてみてもいいでしょう。
質問④「この仕事で大変なところはどこですか?」
私は非常に重要な質問だと思っています。
なぜなら、
仕事の良いところだけでは長く働けるか判断できないからです。
例えば、
立ち仕事が長い。
重量物を扱う。
細かい作業が多い。
スピードを求められる。
覚えることが多い。
夏場は暑い。
クリーンルームで決められた服装をする。
夜勤がある。
仕事には必ず何か大変な部分があります。
だから、
「働きやすいですか?」
より、
「この仕事で最初につまずく人が多いのはどんなところですか?」
と聞いてみるのもいいでしょう。
かなり具体的な情報が得られることがあります。
質問⑤「どんな人が長く働いていますか?」
私はこの質問もおすすめします。
例えば、
「黙々と作業できる人」
「細かい作業が好きな人」
「コミュニケーションを取りながら働ける人」
「体を動かすのが好きな人」
など、その職場に合いやすい人の特徴が見えてきます。
ここで重要なのは、
その答えと自分を比べることです。
仮に、
「スピードを求められる仕事なので、テキパキ動ける人が長く続いています」
と言われたとします。
自分が一つひとつ慎重に作業するタイプなら、
「自分に合うだろうか?」
と考える材料になります。
職場見学は、
会社に合わせて自分を変える場所ではありません。
自分と会社が合うか確認する場所でもあります。
質問⑥「残業は実際にはどのくらいありますか?」
ここでポイントになるのが、
「実際には」
という部分です。
例えば求人票に、
「残業月20時間程度」
と書かれていても、繁忙期と通常期で違う可能性があります。
そこで、
「通常月はどのくらいですか?」
「繁忙期はどのくらいになりますか?」
「残業が多くなる時期はありますか?」
と確認します。
特に家庭がある人や、送迎、介護などの事情がある人には重要です。
入社してから、
「こんなに残業があるとは思わなかった」
となるより、最初に確認した方がいいと思います。
質問⑦「休日出勤はどのくらいありますか?」
私が同行した職場見学でも、
「残業や休日出勤はできますか?」
と派遣先側から聞かれることがありました。
逆に言えば、
働く側からも確認していい内容です。
例えば、
「休日出勤は月に何回くらいありますか?」
「繁忙期だけですか?」
「休日出勤が難しい場合は事前に相談できますか?」
などです。
ここで無理をして、
「全部できます」
と言う必要はありません。
できないなら、
「毎週は難しいですが、事前に分かれば調整できる場合があります」
など、実際の状況を伝えた方がいいと思います。
質問⑧「職場は何人くらいで仕事をしていますか?」
これは職場環境を知るための質問です。
例えば、
一人で黙々と行う仕事。
2〜3人のチーム。
10人程度のライン。
数十人が同じエリアで働く職場。
同じ製造業でも全く違います。
人とコミュニケーションを取りながら仕事をするのが好きな人もいれば、一人で集中したい人もいます。
だから、
仕事内容だけではなく「誰と、どのように働くのか」
も確認してください。
質問⑨「分からないことがあった場合、誰に確認すればいいですか?」
地味ですが、私はかなり重要な質問だと思っています。
特に未経験者なら、
「仕事が分からないときに聞ける人がいるか」
は重要です。
担当者。
班長。
リーダー。
教育担当。
先輩社員。
会社によって違います。
私が製造現場を見てきた経験でも、
分からないことを勝手な判断で進めることは危険です。
品質や安全に関係する場合もあります。
だから、
「分からない場合は誰に聞けばいいですか?」
「教育担当の方はいらっしゃいますか?」
と確認しておく。
教育体制を見る質問にもなります。
質問⑩「今日見た仕事で、入社前に準備しておいた方がいいことはありますか?」
最後に私がおすすめしたい質問です。
これは非常に使いやすいと思います。
例えば、
「特にありません」
と言われるかもしれません。
あるいは、
「この用語だけ覚えておくといいですよ」
「体を使う仕事なので体調を整えておいてください」
「安全ルールを最初に覚えてもらいます」
など、具体的な回答が返ってくる可能性があります。
さらに、
仕事に興味を持っていることも自然に伝わります。
ただし、
「良い印象を与えるためだけの質問」
として使うのではありません。
回答を聞いて、
本当に自分が準備できるか
まで考えてください。
数百回同行して感じた「良い質問」と「もったいない質問」の違い
私は職場見学に数百回同行しました。
その経験から感じるのは、
質問の数より具体性
が重要だということです。
例えば、
「仕事は大変ですか?」
と聞く。
悪い質問ではありません。
しかし、
「この仕事で未経験の人が最初に苦労する作業は何ですか?」
と聞いた方が、具体的な回答を得やすくなります。
同じように、
「残業はありますか?」
より、
「通常月と繁忙期では、それぞれどのくらい残業がありますか?」
の方が具体的です。
つまり、
YES・NOで終わる質問より、相手が説明できる質問をする。
これを意識すると、職場について得られる情報量が変わります。
「質問はありません」は絶対NGなのか?
「何か質問はありますか?」
と聞かれたとき、
「ありません」
と言ってしまった。
それだけで何かが決まる、と私は考えていません。
実際に説明が十分で、本当に疑問がない場合もあります。
ただ、私は数百回同行してきた中で、
何も質問がない人を少し心配に感じることはありました。
なぜなら、
「仕事内容を本当に理解できたのかな?」
「実際に働くイメージを持てているのかな?」
と思うからです。
質問を無理やり作る必要はありません。
説明の中ですべて解決したなら、
「事前に聞きたかったことは、今日の説明で確認できました」
と伝える方法もあります。
これなら、
「何も考えていなかった」
のとは意味が違います。
給料について質問してはいけない?
これも気になる人がいると思います。
給与は重要です。
働く以上、確認して当然です。
ただし、私は職場見学の場で給与や契約条件について疑問がある場合、まず雇用主である派遣会社へ確認することをおすすめします。
派遣先と派遣会社では役割が違います。
時給。
交通費。
有給休暇。
社会保険。
契約期間。
給与の締め日・支払日。
こうした雇用条件については、派遣元へ確認した方が整理しやすい内容があります。
一方、派遣先では、
仕事内容。
一日の流れ。
職場環境。
作業方法。
教育体制。
実際の残業状況。
など、現場だから分かることを確認する。
私はこのように分けて考えることをおすすめします。
私が職場見学前に必ず「3つの質問」を準備してほしい理由
質問を10個紹介しましたが、
全部聞く必要はありません。
むしろ10個すべて聞こうとすると、相手の説明ですでに回答されていることまで質問してしまう可能性があります。
私がおすすめするのは、
事前に3つ準備すること。
例えば、
1つ目。
「未経験者は最初に何を担当するのか?」
2つ目。
「仕事で一番大変なところは何か?」
3つ目。
「残業は実際にどのくらいあるのか?」
このように、自分にとって重要なことを3つ決めます。
そして職場見学中に回答された質問は消す。
新しく気になることが出たら追加する。
これだけでも十分です。
事前に会社を調べると質問の質が変わる
私が職場見学で、
「この人は準備しているな」
と感じる人の特徴の一つが、
事前に会社や仕事内容を調べていること
でした。
難しい企業研究をする必要はありません。
会社のホームページを見る。
何を作っている会社なのか確認する。
紹介された仕事内容を調べる。
勤務地を確認する。
勤務時間を確認する。
これだけでも違います。
例えば半導体関連の会社へ行くなら、
「半導体の仕事って何をするんだろう?」
と少し調べてみる。
すると実際の現場を見たとき、
「あれは何の工程ですか?」
「この作業ではどんな点に注意するんですか?」
という疑問が生まれます。
知識があるから質問するのではありません。
少し調べるから、
「分からないこと」が分かるようになるのです。
職場見学で私が「働けそう」と感じた人
数百回同行してきた中で、
「この人なら働けそうだな」
と私自身が感じた人には共通点がありました。
職場見学を楽しそうに見ている。
仕事に興味を示す。
挨拶ができる。
聞かれたことにハキハキ答える。
そして、
仕事内容について自分から確認する。
逆に、
服装だけ完璧。
会社について何も知らない。
仕事内容について質問がない。
聞かれたことに一言だけ答える。
こうした場合は、
「本当にこの仕事をしたいのかな?」
と心配になることがありました。
だから私は、
服装だけではなく「中身の準備」をしてほしい
と思っています。
職場見学当日に使える質問10選
最後に、そのまま使える形でまとめます。
①「一日の仕事の流れを教えていただけますか?」
②「未経験の場合、最初はどの作業から担当することが多いですか?」
③「一人で作業できるようになるまで、どのくらいかかりますか?」
④「この仕事で大変なところはどこですか?」
⑤「どのような方が長く働いていますか?」
⑥「通常月と繁忙期では、残業はどのくらいありますか?」
⑦「休日出勤はどのくらいありますか?」
⑧「何人くらいのチームで仕事をしますか?」
⑨「分からないことがあった場合は、どなたに確認すればいいですか?」
⑩「入社前に準備しておいた方がいいことはありますか?」
スマートフォンのメモなどに入れておいてもいいと思います。
ただし、
全部聞くことが目的ではありません。
自分が働くかどうか判断するために、本当に知りたい質問を選んでください。
まとめ|質問する目的は「選ばれるため」だけではない
職場見学に数百回同行してきた私が、質問について一番伝えたいこと。
それは、
「良い質問をして派遣先に気に入られよう」ではありません。
もっと重要なのは、
自分がその職場で働く姿を想像できるまで確認すること
です。
仕事内容は自分に合っているか。
毎日通えるか。
残業できるか。
職場環境は問題ないか。
未経験でも覚えられそうか。
分からないときに相談できるか。
長く続けられそうか。
職場見学が終わったら、
「どう見られただろう?」
だけではなく、
「自分はここで働きたいと思ったか?」
と自分自身に聞いてみてください。
そして、本当に働きたい職場なら準備する。
会社を調べる。
仕事内容を調べる。
質問を考える。
服装や髪型を整える。
当日は挨拶をして、仕事をしっかり見る。
職場見学は、
あなたが評価されるためだけの時間ではありません。
これから自分の時間を使って働く場所を、
自分自身で確認する時間です。
そのために質問を使ってください。

