派遣の職場見学で落ちる?数百回同行して分かった“うまくいかなかった人”の特徴7選
「派遣の職場見学で落ちることはある?」
「職場見学のあとに断られた。これって不採用?」
「何が悪かったの?」
派遣の職場見学について検索すると、このような疑問を持つ人は多いと思います。
私は派遣業界で20年以上働き、職場見学には数百回同行してきました。
派遣管理、現場管理、総務・人事を経験し、管理職として働いた経験もあります。
その中で、職場見学後にスムーズに就業へ進んだ人もいれば、結果としてその職場で働くことにならなかった人も数多く見てきました。
最初に重要なことをお伝えします。
一般的な労働者派遣では、職場見学は派遣先による採用面接ではありません。
紹介予定派遣などの場合を除き、派遣先が事前面接をしたり、履歴書の提出を求めたり、派遣する人を特定する目的で選考したりすることには制限があります。
ですから、本来は、
「職場見学に合格する・落ちる」
という考え方そのものが、通常の採用面接とは違います。
しかし、私が数百回の職場見学に同行してきた現場経験では、
「今回は受け入れが難しい」
と派遣先から言われたり、結果として就業につながらなかったりしたケースが実際にありました。
この記事では、それを正しい選考方法として紹介するのではなく、
「私が実際の現場で経験したこと」
としてお伝えします。
そして、派遣先だけが判断するわけではありません。
職場を見た本人から、
「ここでは働きたくありません」
と辞退したケースもあります。
職場見学とは、
派遣先から一方的に評価されるための場所ではなく、自分自身も仕事と職場を確認する場所です。
その前提で、私が数百回同行して感じた「うまくいかなかったケース」の特徴を7つ紹介します。
そもそも「派遣の職場見学で落ちる」は正しい表現なのか?
まず、ここを整理しておきましょう。
ネットでは、
「派遣の顔合わせで落ちた」
「職場見学で不採用になった」
といった表現を見ることがあります。
検索するときには分かりやすい言葉ですが、通常の採用面接と同じように考えるのは注意が必要です。
一般的な労働者派遣では、
派遣先が事前面接をする。
履歴書を提出させる。
複数の候補者から一人を選ぶ。
若い人だけを求める。
といった、派遣労働者を特定することを目的とする行為には制限があります。
一方で、本人の希望に基づいて、
「実際に働く職場を見てみたい」
と職場見学をすることはできます。
だからこの記事では「落ちる」という言葉を検索者に分かりやすくするために使いますが、実際には、
「職場見学後に就業まで進まなかった」
という意味で説明していきます。
特徴① 会社や仕事内容をほとんど調べていない
私が数百回の職場見学に同行してきて、
「もう少し準備してくればいいのに」
と感じることが多かったケースです。
例えば派遣先から、
「うちの会社が何を作っているか知っていますか?」
と聞かれる。
そこで、
「分かりません」
となってしまう。
もちろん、派遣先について何でも知っている必要はありません。
しかし、
会社名。
何を作っている会社なのか。
紹介された仕事内容。
勤務時間。
勤務地。
これくらいは事前に調べられます。
私は職場見学で終始楽しそうに仕事を見ている人や、自分で仕事内容を調べてきた人を見ると、
「本当にこの仕事に興味があるんだな」
と感じました。
逆に何も知らないと、
「この仕事、本当にやりたいのかな?」
と心配になることがあります。
対策
職場見学の前日に10分でも構いません。
会社のホームページを見る。
何を作っている会社なのか確認する。
仕事内容を検索する。
分からない言葉を調べる。
それだけでも、職場見学で見るポイントが変わります。
特徴② 挨拶ができない・第一印象への準備が不足している
第一印象だけですべてが決まるとは思っていません。
しかし、
第一印象が重要なのも事実です。
私が気になったのは、
派遣先へ到着しても挨拶をしない。
担当者を紹介されても反応が薄い。
目を合わせようとしない。
声がほとんど聞こえない。
といったケースです。
逆に、
「本日はよろしくお願いします」
と普通に挨拶できるだけでも印象は違います。
高級なスーツを着る必要はありません。
大切なのは、
清潔感。
髪型。
服のシワや汚れ。
靴。
挨拶。
表情。
などです。
私は以前の記事でも書きましたが、職場見学の準備は少し初めてのデートに似ていると思っています。
初めて会う相手なら、多少は身だしなみを整えるでしょう。
自分を偽る必要はありません。
しかし、
「自分をきちんと見てもらうための準備」
はしておいた方がいいと思います。
特徴③ 質問されても「はい」「大丈夫です」だけで終わる
私が職場見学で心配になる人の特徴の一つです。
例えば、
「夜勤はできますか?」
「はい」
「製造経験はありますか?」
「あります」
「仕事内容を見てどうでしたか?」
「大丈夫です」
間違った回答ではありません。
しかし、これだけでは、
本人がどう考えているのか分かりません。
例えば、
「夜勤はできますか?」
と聞かれたなら、
「以前も交替勤務を経験していたので問題ありません」
など、事実に基づいて一言補足するだけでも伝わり方が変わります。
また、
「仕事内容を見てどうでしたか?」
なら、
「細かな作業が多いと感じましたが、前職でも似た作業をしていたので挑戦してみたいです」
と自分の考えを伝えることができます。
長く話す必要はありません。
聞かれたことに答えて、必要なら理由を一つ加える。
これくらいで十分です。
特徴④ 質問がまったく出ない
職場見学の最後に、
「何か質問はありますか?」
と聞かれることがあります。
ここで、
「ありません」
で終わる。
これだけで就業できないという意味ではありません。
説明が十分なら、本当に質問がない場合もあります。
しかし、数百回同行してきた私としては、
何も質問が出ない人を少し心配に感じることがありました。
「本当に仕事内容を理解できたのかな?」
「実際に働くイメージができているのかな?」
と思うからです。
職場見学前には、最低でも3つくらい質問を準備しておくことをおすすめします。
例えば、
「未経験の場合、最初はどの仕事から担当しますか?」
「この仕事で大変なのはどんなところですか?」
「一人で仕事ができるようになるまで、どのくらいかかりますか?」
といった質問です。
大切なのは、
質問して自分をアピールすることではありません。
自分がここで働けるのか判断するために質問してください。
特徴⑤ 自分を良く見せようとしすぎる
これは派遣会社での面談でも、職場見学でも私が気になった部分です。
働きたいと思えば、
「良く見られたい」
と思うのは当然です。
ただし、
自分を良く見せることと、事実以上に自分を大きく見せることは違います。
例えば、
経験していないのに、
「経験があります」
と言う。
本当は夜勤が難しいのに、
「大丈夫です」
と言う。
残業できない事情があるのに、
「何時間でもできます」
と言う。
これで仕事が始まったとしても、後で困るのは本人です。
私が長年担当してきて気になったのは、
話すたびに内容が変わる。
以前聞いた話と辻褄が合わない。
必要以上に自分を良く見せようとする。
というケースでした。
職場見学では、
できないことまで「できます」と言わない。
これは非常に重要だと思います。
特徴⑥ 通勤や勤務条件を現実的に考えていない
私が実際に経験した中には、職場見学後に派遣先側から、
「家が遠い」
という趣旨の話をされたこともあります。
ただし、通常の派遣の職場見学で派遣先が候補者を選別すること自体には制度上の注意が必要です。
その話とは別に、
通勤距離は働く本人にとって非常に重要
だと私は考えています。
例えば、
片道1時間30分。
往復3時間。
これを毎日続けられるでしょうか?
さらに3交替勤務なら、
朝6時から勤務。
深夜に勤務。
といった働き方になる場合があります。
求人を見たときは、
「このくらいなら通える」
と思っても、毎日となると話は変わります。
私が長く働いている派遣社員を見てきた中では、
「家から近い」
というのは意外なほど大きな継続理由でした。
だから職場見学へ行くときは、
実際の通勤時間。
渋滞。
始業時間。
終業時間。
夜勤の場合の交通手段。
まで考えてください。
特徴⑦ 「働きたい」が態度からまったく伝わってこない
これは非常に感覚的な話なので、
「これをやれば大丈夫」
というものではありません。
しかし数百回同行していると、
仕事への興味が態度に表れる
と感じることがあります。
私が、
「この人は働けそうだな」
と感じた人は、
現場を興味深そうに見ている。
説明を聞いている。
分からないことを質問する。
仕事について自分から確認する。
表情が明るい。
聞かれたことにハキハキ答える。
という特徴がありました。
反対に、
現場をほとんど見ない。
説明への反応がない。
質問しない。
聞かれたことに一言だけ答える。
という場合は、
「本当にここで働きたいのかな?」
と心配になることがありました。
ただし、
明るく話せる人だけが優秀という意味ではありません。
無口でも真面目に仕事をする人はたくさんいます。
重要なのは話す量ではなく、
仕事に向き合おうとしている姿勢が伝わるか
だと思います。
私が実際に経験した「うまく進まなかった理由」
ここからは少し踏み込んだ話をします。
私が数百回の職場見学に同行した中では、職場見学後に派遣先から受け入れが難しいという趣旨の連絡を受けたことがあります。
実際に聞いた理由には、
年齢が合わない。
転職回数が多い。
自宅から遠い。
職場の人と合わなそう。
といったものがありました。
伝え方もさまざまでした。
申し訳なさそうに伝えてくる人。
電話で連絡する人。
直接呼んで説明する人。
こちらの意見をほとんど聞かず、冷たく伝えられたこともあります。
しかし、ここで絶対に誤解してほしくありません。
「派遣先は年齢や転職回数を見て自由に候補者を選んでいい」
という話ではありません。
これは、
私が現場で実際に経験したこと
として書いています。
一般的な労働者派遣では、派遣先による事前面接や履歴書の要求、若年者への限定など、派遣労働者を特定する目的の行為には制限があります。
だからこそ私は、
「現場で実際に行われていること」
と、
「制度上求められていること」
を分けて考える必要があると思っています。
「年齢が理由」と言われても、自分を責める必要はない
私自身、
「年齢が合わない」
という趣旨の話を派遣先から聞いた経験があります。
もし同じような経験をした人がいたら、
「自分が悪かったのかな?」
と考えるかもしれません。
しかし、年齢については制度上のルールもあります。
通常の労働者派遣では、派遣先が、
「若い人をお願いします」
などと候補者を限定することは、派遣労働者を特定することを目的とする行為の例として示されています。
ですから、
年齢を理由にされた場合と、挨拶や準備不足など自分で改善できる部分は分けて考える
ことが大切です。
何でも自分のせいにする必要はありません。
本人側から断ったケースもたくさんある
もう一つ忘れてはいけないことがあります。
職場見学後に断るのは、
派遣先側だけではありません。
本人から、
「この職場では働きたくありません」
と言われることもありました。
私が経験した理由には、
「思っていたより汚かった」
「暑かった」
「仕事内容が合わない」
「思っていたより難しそうだった」
といったものがあります。
私は、
職場見学で分かったなら、それでいい
と思っています。
入社して3日で、
「無理です」
となるより、働く前に分かった方がいいからです。
職場見学は、
「どうすればここで働けるか?」
だけを考える場所ではありません。
「本当にここで働きたいか?」
を確認する場所でもあります。
職場見学後にうまく進まなかったら担当者に聞いてほしい
もし職場見学後に就業へ進まなかった場合、
私は派遣会社の担当者へ確認していいと思います。
例えば、
「今回はどういう理由だったのでしょうか?」
「自分に改善できるところはありましたか?」
「次の職場見学に向けて準備した方がいいことはありますか?」
です。
担当者から、
「もう少し仕事内容を調べておいた方がいい」
「回答が少し短かった」
「勤務条件をもう一度整理しましょう」
と言われたなら、次に活かせます。
一方、
年齢など本人が簡単には変えられない部分を理由として伝えられた場合には、担当者に制度上どう整理されるのか確認してもいいでしょう。
「ダメだった」で終わらせず、次に使える情報を一つ持ち帰る。
私はこれが重要だと思います。
職場見学前日のチェックリスト
数百回同行してきた経験から、前日に最低限確認してほしいことをまとめます。
□ 派遣先企業について調べた
□ 仕事内容を確認した
□ 勤務時間を確認した
□ 自宅からの通勤時間を調べた
□ 質問を3つ用意した
□ 自分の経験を簡単に説明できる
□ 夜勤・残業・休日出勤について自分の条件を整理した
□ 服装と靴を準備した
□ 髪型など清潔感を確認した
□ 集合場所と時間を確認した
ここまで準備できれば、
「何を聞かれるんだろう」
という不安も少し減ると思います。
数百回同行した私が考える「職場見学で一番大切なこと」
私は数百回の職場見学に同行しました。
その経験から、一番もったいないと思うのは、
「働かせてもらうために行く」
という意識だけになってしまうことです。
そうなると、
本当は嫌なのに、
「大丈夫です」
と言ってしまう。
暑いと思っても言えない。
仕事内容が合わないと感じても言えない。
通勤が厳しそうでも、
「通えます」
と言ってしまう。
そして入社してから苦しくなる。
それでは職場見学をした意味がありません。
準備はしてください。
会社について調べる。
仕事内容を調べる。
服装を整える。
挨拶をする。
質問を考える。
自分の経験を説明できるようにする。
でも、
「選んでもらうために自分を偽る」必要はありません。
まとめ|「落ちない方法」より「合う職場を見つける方法」を考える
派遣の職場見学でうまく進まなかった人について、私が数百回同行して感じた特徴をまとめると、
①会社や仕事内容を調べていない
②挨拶や第一印象への準備が不足している
③質問への回答が短すぎる
④自分から質問しない
⑤自分を良く見せようとしすぎる
⑥通勤や勤務条件を現実的に考えていない
⑦仕事への興味が態度から伝わりにくい
という点がありました。
ただし、この7つは、
「これをすれば必ず就業できる」という攻略法ではありません。
通常の労働者派遣の職場見学は、本来、派遣先による採用選考の場ではないからです。
また、私自身が現場で経験したように、
年齢。
転職回数。
通勤距離。
職場との相性。
などを理由として、派遣先から受け入れが難しいと言われることもありました。
だから、
「職場見学でうまくいかなかった=自分には価値がない」
と考える必要はありません。
大切なのは、
自分で改善できることと、自分ではどうにもならないことを分けること。
そして次の職場見学へ進むことです。
派遣は一つの会社だけではありません。
一つの仕事だけでもありません。
私が20年以上派遣業界を見てきて伝えたいのは、
「落ちないために自分を作る」のではなく、「自分に合う職場を探すために準備する」
ということです。
会社を調べる。
仕事を見る。
質問する。
条件を確認する。
そして最後に、
「自分はここで本当に働きたいのか?」
を考えてください。
職場見学は、
選ばれるためだけの場所ではありません。
自分自身も職場を選ぶための時間です。

