「派遣先の人間関係がつらいときどうする?250名を管理して分かった対処法」

派遣先の人間関係がつらいときどうする?250名を管理して分かった辞める前にやるべきこと

「派遣先の人間関係がつらい」

「教育担当者とうまくいかない」

「自分だけ扱いが違う気がする」

「もう辞めた方がいいのかな……」

派遣として働いていると、仕事内容や給与だけではなく、人間関係で悩むことがあります。

私は派遣業界で20年以上働き、派遣管理、現場管理、総務・人事、管理職などを経験してきました。

最大で約250名の派遣社員を担当・管理した経験があります。

その中で派遣社員から受けた相談で、特に多かったのが人間関係でした。

実際に私が受けた相談には、

「仕事を教えてくれない」

「自分だけ扱いが違う」

「陰口を言われている」

「職場のグループに入れない」

「事実と違う内容を上司へ報告された」

といったものがありました。

ただ、20年以上多くの相談を受けてきて感じるのは、

人間関係のトラブルは、片方の話だけでは分からない

ということです。

本当に派遣先側に問題があるケースもあります。

お互いの認識がずれている場合もあります。

そして、相談してきた本人にも改善すべき部分が見つかることがあります。

だから私は、

「つらかったらすぐ辞めましょう」

とも、

「仕事だから我慢しましょう」

とも言いません。

大切なのは、

悩みを一人で抱え込まず、事実を確認して、改善できる問題なのかを考えることです。

この記事では、最大250名を管理してきた経験から、派遣先の人間関係がつらいときにどうすればいいのかをお伝えします。


派遣社員から一番多かった相談は「人間関係」

私が派遣社員を担当してきた中で、相談内容として多かったのは、

1位:人間関係

2位:仕事内容

3位:給与

でした。

時給が高くても、

仕事内容が自分に合っていても、

人間関係が悪ければ毎日仕事へ行くことがつらくなります。

反対に多少大変な仕事でも、

周囲に相談できる人がいる。

仕事をきちんと教えてもらえる。

困ったときに助けてもらえる。

そんな職場なら長く働けることがあります。

私自身、多くの派遣社員を見てきて、

「仕事を続けられるかどうかは、人間関係の影響が大きい」

と感じてきました。


人間関係の相談で一番多かったのは「教育担当者」

私が受けた人間関係の相談を相手別に見ると、

1位:派遣先の教育担当者

2位:派遣先社員

3位:派遣社員同士

でした。

特に重要なのが、

教育担当者との関係です。

派遣先へ入ったばかりの人は、仕事が分かりません。

機械の使い方。

作業手順。

安全ルール。

品質ルール。

職場独自の決まり。

分からないことだらけです。

そこで頼りになるのが教育担当者です。

ところが、その教育担当者とうまくいかない。

「質問しても教えてくれない」

「聞いたら嫌そうな顔をされる」

「他の人には優しいのに自分には厳しい」

こうなると、

仕事そのものより、教育担当者に質問することが怖くなる

ことがあります。

私はこれは大きな問題だと思っています。

分からないことを聞けない環境は、本人が仕事を覚えにくいだけではありません。

製造現場などでは、安全や品質に関わる可能性もあるからです。


実際に多かった相談①「仕事を教えてくれない」

これは非常に困る相談です。

派遣社員本人から、

「仕事を教えてもらえません」

と言われる。

しかし、ここで担当者が、

「それは派遣先が悪いですね」

とすぐ判断してはいけないと私は考えています。

まず、

「教えてくれない」とは具体的にどういう状態なのか

を確認します。

質問しても無視されるのか。

一度説明されただけで「前に教えた」と言われるのか。

忙しくて質問する時間がないのか。

本人が質問できていないのか。

教育担当者とのコミュニケーションがうまく取れていないのか。

同じ「教えてくれない」でも内容は違います。

だから私は、まず本人から詳しく話を聞いていました。


実際に多かった相談②「自分だけ扱いが違う」

これもよくある相談でした。

「他の派遣社員には優しい」

「自分だけ厳しく言われる」

「自分だけ仕事を多く振られる」

本人にとっては非常につらい問題です。

しかし、

「自分だけ扱いが違う」という感覚と、実際に不公平な扱いが行われていることは分けて確認する必要があります。

例えば、

担当している仕事が違う。

経験年数が違う。

教育段階が違う。

本人だけ注意を受ける原因がある。

という可能性もあります。

反対に、本当に特定の人だけ扱いが違っていたケースもあります。

だから私は、

本人の話だけで結論を出さない

ようにしていました。


実際に多かった相談③「陰口を言われている」

陰口についても相談を受けました。

非常に難しい問題です。

本人からすると、

「自分のことを悪く言われている」

だけでも大きなストレスになります。

ただ、

「○○さんが言っていました」

という話だけで相手を注意すると、別のトラブルにつながる可能性があります。

誰が言ったのか。

いつ言ったのか。

何を言われたのか。

本人が直接聞いたのか。

第三者から聞いたのか。

仕事にどんな影響が出ているのか。

私はこうした部分をできるだけ確認する必要があると考えていました。

人間関係のトラブルでは「事実」と「感じたこと」を分けることが重要です。


実際に多かった相談④「グループに入れない」

職場には人間関係があります。

仲の良い人たちで昼休みを過ごす。

同じ部署の人同士で話す。

以前から働いている人同士で関係ができている。

そこへ新しい派遣社員が入れば、

「自分だけ浮いている」

と感じることがあります。

これも簡単ではありません。

職場で仕事上必要な情報まで共有されないのであれば、仕事の問題として対応する必要があります。

一方、

「休憩時間に仲間に入れてくれない」

ということであれば、会社がすべての人間関係を作れるわけではありません。

ここは、

仕事上必要なコミュニケーションが取れていないのか、それともプライベートな人間関係で寂しさを感じているのか

を分ける必要があります。


実際に多かった相談⑤「事実と違う内容を上司に報告された」

これは放置しにくい問題です。

例えば本人から、

「教育担当者が事実と違うことを上司に報告しています」

と相談される。

その内容が本人の評価や就業継続に影響する可能性があるなら、きちんと確認する必要があります。

ただし、ここでも、

本人の話だけで「相手が嘘をついている」と決めつけない

ことが重要です。

本人の認識。

教育担当者の認識。

派遣先上司の認識。

周囲の人の認識。

それぞれ違う可能性があります。

人間関係のトラブルは、

「どちらが正しいか」を急いで決めようとすると、さらに悪化することがあります。

まず事実確認です。


私が相談を受けたときにやっていたこと

派遣社員から人間関係の相談を受けた場合、私は基本的に一人の話だけで判断しないようにしていました。

まず、

本人から詳しく話を聞く。

次に、

派遣先へ状況を確認する。

必要であれば派遣先に依頼して、

周囲の人にも状況を確認してもらう。

さらに同じ職場に自社の派遣社員がいる場合は、

その人から見た状況も確認する。

このように複数の情報を集めます。

なぜここまでするのか。

理由は単純です。

人間関係には、それぞれの立場から見た「事実」があるからです。


「相談した人=必ず正しい」とは限らない

これは派遣社員を20年以上担当してきたからこそ、書いておきたいことです。

相談してきた人が悪いと言いたいわけではありません。

困っているから相談しています。

その気持ちは受け止める必要があります。

しかし、実際に詳しく確認すると、

本人の思い違いだった

というケースもありました。

また、

相手とのトラブルの原因が双方にあった

ケースもあります。

例えば、

本人の伝え方にも問題があった。

注意されたことを「嫌われている」と受け取っていた。

本人にも職場ルールを守れていない部分があった。

過去の出来事から相手に対する不信感が強くなっていた。

こうしたケースです。

だから、

「○○さんが悪い」

と最初から決めるのではなく、

「実際に何が起きているのか?」

を確認することが大切です。


相談したことで改善したケースもたくさんある

もちろん、

「相談しても何も変わらない」

というわけではありません。

私が実際に対応した中では、

配置変更

教育担当者の変更

派遣先上司から関係者への注意

別部署への異動

関係者を交えた面談

などで改善を図ったことがあります。

例えば教育担当者との関係がどうしてもうまくいかない。

仕事内容そのものには問題がない。

本人も仕事を続けたい。

このような場合なら、

教育担当者を変更するだけで状況が改善する可能性があります。

だから私は、

「人間関係がつらい=すぐ退職」

ではないと思っています。

環境を少し変えるだけで続けられるケースもあります。


一方で、改善できないケースもあった

すべての問題が解決できたわけではありません。

本人から、

「改善されません」

と言われることもありました。

しかし、詳しく状況を確認すると、

本人の思い違い。

本人と相手双方のトラブル。

本人自身にも改善すべき点がある。

というケースもありました。

その結果、本人から退職の申し出があり、

別の派遣先へ変更したこともあります。

ところが、新しい派遣先でも、

同じような人間関係の相談が繰り返される

ことがあります。

そして最終的に本人が退職する。

ケースによっては、派遣先側から契約終了について相談を受けることもありました。

私はここに非常に重要なポイントがあると思っています。


派遣先を変えれば、すべて解決するとは限らない

人間関係がつらければ、

「職場を変えればいい」

と思うかもしれません。

もちろん、本当に職場環境に問題があるなら、環境を変えることは一つの選択肢です。

しかし、

A社でも人間関係でトラブル。

B社でも同じ。

C社でも同じ。

となった場合は、

一度、自分自身のコミュニケーションも振り返ってみる必要があります。

これは、

「あなたが悪い」

という意味ではありません。

例えば、

注意をすべて否定と受け取っていないか。

相手の話を最後まで聞いているか。

分からないことを確認しているか。

感情的に反応していないか。

自分の考えだけが正しいと思っていないか。

仕事上必要な報告・連絡・相談ができているか。

職場を変えることも大切です。

しかし、

自分の行動を一つ変えることで次の職場が働きやすくなる可能性もあります。

ここは20年以上多くの派遣社員を見てきて、強く感じるところです。


それでも「すぐ相談してほしい」ケースがある

人間関係の問題には、

「少し様子を見ましょう」

では済ませてはいけないケースがあります。

私なら、

暴言

身体的な接触

ハラスメントが疑われる言動

安全に関わる行為

精神的に限界を感じている状態

なら、我慢せずにすぐ相談してほしいと思います。

厚生労働省の派遣先向け指針でも、派遣労働者からの苦情にはパワーハラスメントやセクシュアルハラスメントなどが含まれ、適切かつ迅速な処理を図ることが示されています。

派遣先には、派遣労働者から派遣就業に関する苦情を受けた場合、派遣元へ通知し、派遣元と連携して適切かつ迅速に処理することが求められています。

「派遣だから我慢しなければならない」ではありません。


人間関係で悩んだら最初にやってほしい5つのこと

私なら、次の順番で考えます。

①何がつらいのか整理する

「人間関係が嫌」

だけではなく、

誰と。

いつから。

何があったのか。

具体的に整理します。

②事実をメモする

例えば、

「○月○日、○時ごろ、○○と言われた」

という形です。

感情だけではなく事実を残します。

③早めに派遣会社の担当者へ相談する

問題が大きくなるまで我慢しないことです。

④担当者と一緒に事実確認する

本人だけで相手と戦う必要はありません。

派遣会社と派遣先で確認してもらいます。

⑤改善後も状況を見る

配置変更や教育担当変更をして終わりではありません。

本当に改善したのか確認します。


派遣会社の担当者にはこう相談してほしい

「もう無理です」

「○○さんが嫌いです」

だけでは、担当者も状況を判断しにくいことがあります。

できれば、

「誰と」

「いつから」

「何が起きているのか」

「仕事にどんな影響が出ているのか」

「自分はどうしてほしいのか」

を整理してください。

例えば、

「教育担当の○○さんに質問しても回答してもらえないことが何度かあり、作業方法が分からないままになることがあります。仕事を覚えたいので、一度状況を確認してもらえませんか?」

このように相談すると、

担当者も動きやすくなります。


「辞めたい」と思ったときに考えてほしいこと

人間関係がつらくなると、

「明日から行きたくない」

と思うことがあります。

その気持ちは分かります。

ただ、緊急性が高いケースを除けば、

辞める決断をする前に一度相談してほしい

と思っています。

教育担当者を変更すれば解決するかもしれません。

配置を変えれば働けるかもしれません。

部署を変えれば続けられるかもしれません。

相手との認識のズレを面談で解消できるかもしれません。

一方で、

相談しても改善されない。

職場へ行くこと自体が苦痛。

安全上の問題がある。

ハラスメントが続いている。

などの場合は、同じ環境で働き続けることだけが選択肢ではありません。

派遣会社と相談し、

派遣先の変更を含めて今後を考える

ことも必要です。


担当者が動いてくれない場合はどうする?

ここも重要です。

派遣社員からすると、

「担当者に相談したのに何もしてくれない」

ということもあるでしょう。

その場合は、

担当者だけで終わらせず、

派遣会社の上司や相談窓口へ相談する

方法があります。

派遣元には苦情処理の体制を整えることなどが求められています。

また、派遣制度について相談したい場合には都道府県労働局、ハラスメントなどの労働問題については労働局の相談窓口など、公的な相談先もあります。

「担当者が動かない=誰にも相談できない」

ではありません。


20年以上担当してきた私が一番伝えたいこと

私がこの記事で一番伝えたいのは、

悩んでいることを一人で抱え込まないでほしい

ということです。

派遣社員を担当していると、

問題がかなり大きくなってから、

「実は3カ月前から悩んでいました」

と相談されることがありました。

私はそのたびに、

「もっと早く話してくれればよかったのに」

と思います。

些細なことでもいいのです。

「教育担当者と少し合わない気がする」

「最近、話しかけても反応してもらえない」

「仕事を教えてもらいにくい」

その段階で相談してください。

担当者に話したからといって、

すぐ大問題にする必要はありません。

まず話を聞く。

状況を見る。

必要なら確認する。

それだけでいい場合もあります。


悩むより「相談する」を選んでほしい

私自身、20年以上派遣業界で働いてきて思うことがあります。

悩み続ける時間はもったいない。

一人で考えていると、

「嫌われているのかな」

「明日も何か言われるかな」

「仕事に行きたくないな」

と、どんどん悪い方向へ考えてしまうことがあります。

しかし、人に話してみると、

「それなら確認してみよう」

「配置を変えられるか聞いてみよう」

「相手にも話を聞いてみよう」

と、次の行動が生まれます。

今抱えている悩みは、

誰かと共有することで解決へ動き始めることがあります。

だから私は、

「悩まず相談する」

ことを心掛けてほしいと思っています。


まとめ|派遣だからこそ「担当者」を使ってほしい

派遣先の人間関係がつらいとき、

一人で解決しようとする必要はありません。

私が20年以上の派遣業界経験で特に多く受けた人間関係の相談は、

教育担当者。

派遣先社員。

派遣社員同士。

とのトラブルでした。

そして実際に、

仕事を教えてくれない。

自分だけ扱いが違う。

陰口。

グループに入れない。

事実と違う内容を上司へ報告される。

といった相談を受けてきました。

その中には、

配置変更。

教育担当変更。

派遣先上司からの注意。

別部署への異動。

面談。

によって改善したケースがあります。

一方で、詳しく確認すると本人の思い違いだったケースや、本人側にも改善すべき部分があったケースもありました。

だから、

相手だけを悪者にしない。

しかし、

自分だけを責める必要もない。

事実を確認する。

担当者へ相談する。

改善策を考える。

それでも難しいなら、次の選択肢を考える。

それでいいと私は思います。

派遣には、

派遣先とあなたの間に「派遣会社」が存在します。

せっかく担当者がいるのです。

使ってください。

小さな違和感でも構いません。

話してください。

相談してください。

そして一人で抱え込まないでください。

20年以上、多くの派遣社員から相談を受けてきた私が最後に伝えたいのは、

「悩まず相談する」

ということです。

あなたが今抱えている問題も、誰かに話すことから解決へ向かうかもしれません。

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