派遣で仕事を教えてもらえない!放置される5つの原因と対処法

派遣業界

派遣で仕事を教えてもらえないときどうする?放置される原因と対処法

「派遣先に入ったけれど、仕事をほとんど教えてもらえない」

「分からないことだらけなのに、教育担当者が忙しくて聞けない」

「初日から放置されている気がする」

派遣で働き始めた人から、こうした相談を受けることがあります。

私は派遣業界で20年以上働き、派遣スタッフのフォロー、採用、現場管理、総務人事、管理職などを経験してきました。

最大で約250名の派遣社員を担当・管理した経験があります。

その中でも、

「仕事を教えてもらえない」

という相談は実際に何度もありました。

特に多かったのが、入社して最初の1週間です。

実際に確認すると、本当に派遣先の教育体制に問題があるケースもありました。

一方で、

「すでに何度も説明されていた」

「本人がメモを取っていなかった」

「分からないことを教育担当者へ伝えていなかった」

というケースもありました。

だから私は、

「仕事を教えてもらえない=派遣先が悪い」

と最初から決めつけないようにしていました。

逆に、

「本人の努力不足」

と決めつけることもしません。

重要なのは、

何が起きているのか事実を確認することです。

この記事では、派遣業界で20年以上働いてきた経験から、派遣先で仕事を教えてもらえない原因と、放置されていると感じたときの対処法を解説します。


派遣で「仕事を教えてもらえない」という相談は実際にある

まず、

「派遣だから仕事を教えてもらえないなんて、自分だけなのでは?」

と思う必要はありません。

私は実際に何度も相談を受けました。

特に入社直後です。

初日。

3日目。

1週間。

このくらいの時期は、本人も仕事内容が分かりません。

職場の人間関係も分かりません。

誰に質問すればいいのかも分からない。

そんな状態で教育担当者が忙しくしていれば、

「自分は放置されているのでは?」

と不安になるのも当然だと思います。

ただし、本当に放置されているのか、それとも教育の途中なのかは確認する必要があります。


私が見てきた「仕事を教えてもらえない」5つの原因

相談を受けて確認していくと、いくつかのパターンがありました。

私が特に多いと感じたのは次の5つです。

①教育担当者が忙しすぎる

非常に多かったケースです。

本人から、

「仕事を教えてもらえません」

と相談を受ける。

派遣先へ確認する。

すると、

「現場が忙しくて教育する時間が取れていない」

ということがありました。

製造現場などでは、生産を止めるわけにはいきません。

教育担当者自身も通常の仕事を持っている場合があります。

自分の仕事をしながら新人教育もする。

そうすると、

「これをやっておいてください」

と言われたまま教育担当者が別の仕事へ行ってしまう。

本人は作業が終わった。

でも次に何をすればいいのか分からない。

教育担当者は忙しそうで聞けない。

その結果、

「放置された」

と感じてしまいます。

これは本人の問題というより、職場側の教育体制に原因があるケースです。


②そもそも教育体制が整っていない

もっと根本的な問題もありました。

教育担当者が決まっていない。

教育マニュアルがない。

誰が何を教えるのか決まっていない。

人によって教え方が違う。

新人が入ってから教育方法を考える。

こうした職場です。

私が現場を確認した中には、

「新人が入ってもすぐ辞めるから、しっかり教育しても意味がない」

というような考え方を持っている職場もありました。

また、

「教育してもすぐ辞めるかもしれないから、最初の1カ月程度は簡単な作業だけさせる」

という考え方もありました。

派遣先側にも、

「時間をかけて教育したのに辞められた」

という経験があるのかもしれません。

しかし、その結果として、

教育しない。

簡単な作業だけさせる。

本人が仕事の全体像を理解できない。

やりがいを感じられない。

そして辞める。

こうした悪循環になることがあります。


「どうせ辞めるから教育しない」は悪循環になる

私は派遣管理をしていて、この考え方には問題があると感じることがありました。

派遣社員が定着しない。

↓

「どうせ辞める」と考える。

↓

教育に時間をかけない。

↓

派遣社員が仕事を覚えられない。

↓

不安になる。

↓

辞める。

↓

「やっぱり派遣はすぐ辞める」となる。

この循環です。

派遣社員も一人の働く人です。

仕事を理解するためには教育が必要です。

正社員か派遣社員かに関係なく、

仕事に必要な教育や安全上必要な説明は重要です。


③「見て覚えて」という職場

これもありました。

「昔からこうやって教えている」

「先輩の仕事を見れば分かる」

「分からなければ聞けばいい」

という職場です。

経験者なら対応できる場合もあります。

しかし未経験者には難しいことがあります。

特に製造現場では、

作業手順。

品質基準。

安全ルール。

設備操作。

異常時の対応。

など、見ているだけでは理解できないことがあります。

本人としては、

「何が分からないのかすら分からない」

という状態になることがあります。

そこへ、

「分からないなら聞いて」

と言われても、

何を質問すればいいのか分からない。

これは珍しいことではありません。


④教育担当者との相性が合わない

人間同士なので相性があります。

教育担当者の説明が速い。

質問すると嫌そうな顔をされる。

言い方がきつい。

本人が教育担当者を怖がっている。

逆に教育担当者側から、

「何度説明しても聞いてくれない」

「質問してくれない」

「返事はするけれど理解できているのか分からない」

という話を聞くこともありました。

この場合、

どちらか一方が悪いとは言えないことが多い

と私は感じています。

人間関係には相性があります。

だから私が担当していたときは、状況によって、

教育担当者の変更。

配置変更。

本人との面談。

教育担当者との面談。

派遣先上司との調整。

などを行っていました。

「合わないなら我慢してください」

だけで終わらせる必要はないと思います。

派遣先の人間関係がつらいときどうする?辞める前に試したい対処法


⑤本人が質問できていない

ここは派遣先側だけの問題ではありません。

本人から、

「全然仕事を教えてもらえません」

と言われて確認すると、

派遣先から、

「何度か説明しています」

と言われるケースもありました。

さらに確認すると、

本人がメモを取っていなかった。

分からないのに「分かりました」と答えていた。

質問していなかった。

というケースもあります。

教育担当者からすれば、

「理解できている」

と思っていた。

本人からすれば、

「分からないけれど質問しにくい」

と思っていた。

つまり、

お互いの認識がずれていた

ということです。


「分かりません」と言うことは悪いことではない

入社したばかりなら、分からないことがあるのは当然です。

私はむしろ、

分からないのに、

「分かりました」

と言ってしまう方が心配です。

特に製造現場では、

分からないまま作業すると、

品質。

設備。

安全。

などに影響する可能性があります。

だから、

「すみません。ここまでは分かったのですが、この部分をもう一度教えていただけますか?」

と確認してください。

これは恥ずかしいことではありません。


メモを取るだけでも状況は変わる

私が本人側に改善してほしいと思うことの一つが、

メモを取ること

です。

もちろん、すべての仕事をメモだけで覚えられるわけではありません。

作業によっては職場のルール上、個人のメモの持ち込みや記録に制限がある場合もあります。

その場合は職場のルールに従ってください。

しかし可能な環境なら、

教えてもらったことを書く。

分からないところを書く。

後から確認する。

同じことを何度も聞かなくて済む。

というメリットがあります。

教育担当者から見ても、

「覚えようとしている」

という姿勢が伝わります。


入社1週間で「放置されています」と相談されたらどうしていたか

私はこうした相談を受けた場合、

まず本人へ詳しく確認していました。

そして、

「分からないことは先輩や教育担当者へ聞いてください」

と伝えます。

ただし、

それだけで終わりにはしませんでした。

必要に応じて、

実際に職場へ行って確認していました。

本人だけから話を聞いて、

「派遣先が悪い」

とは判断しません。

逆に派遣先から、

「ちゃんと教えています」

と言われただけで、

「本人の問題です」

とも判断しません。


私が実際に行っていた確認の順番

「仕事を教えてもらえない」

という相談を受けた場合、私はおおむね次のような順番で確認していました。

本人

↓

派遣先担当者

↓

教育担当者

↓

派遣先上司

↓

同じ派遣会社から働いている社員

↓

必要に応じて現場確認

一人の話だけでは分からないからです。

本人から見る景色。

教育担当者から見る景色。

上司から見る景色。

同じ職場で働いている人から見る景色。

それぞれ違うことがあります。

だから、

感情と事実を分けて確認すること

を大切にしていました。


本当に教育されていなかった場合

事実確認の結果、

本当に教育不足だった場合は、派遣先へ改善を相談します。

例えば、

教育担当者を明確にする。

教育担当者を変更する。

教育時間を確保する。

配置を変更する。

本人と教育担当者で面談する。

派遣先上司を交えて話をする。

などです。

重要なのは、

「教えてください」

だけではなく、

具体的に何が教えられていないのか

を整理することです。


「仕事を教えてもらえない」と担当者へ伝える方法

派遣会社の担当者へ、

「仕事を教えてくれません」

だけ伝えても、担当者は状況を判断しにくいことがあります。

できれば、

「○月○日に入社しました」

「現在は○○の作業をしています」

「△△について説明を受けていません」

「分からないので教育担当者へ質問しましたが、忙しいと言われました」

「現在、作業を進められず待っている時間があります」

というように具体的に伝えてください。

例えば、

「入社して1週間ですが、○○作業についてまだ説明を受けておらず、一人では作業できません。教育担当の方が忙しく質問できない状態が続いています。一度職場へ確認していただけませんか?」

これなら担当者も動きやすくなります。


「教育担当者が嫌い」と「仕事を教えてもらえない」は分けて考える

ここも重要です。

教育担当者と相性が悪い。

話し方が苦手。

怖い。

これは本人にとって大きな問題です。

しかし、

「相性が悪い」

ことと、

「必要な教育を受けていない」

ことは分けて考えた方が状況を整理しやすくなります。

例えば、

仕事自体は説明されている。

でも質問しにくい。

というケースなら、

教育担当者を変更することで改善する可能性があります。

逆に、

誰が教育担当になっても教育時間そのものがないのであれば、

職場の教育体制の問題かもしれません。


同じ問題が繰り返されるなら自分側も振り返る

これは責めるためではありません。

派遣先を変えても、

「誰も教えてくれない」

「教育担当者と合わない」

「質問できない」

という状況が何度も繰り返されるのであれば、

一度自分側も振り返ってみてください。

分からないと言えているか。

メモを取っているか。

教えてもらったことを実践しているか。

同じ質問を何度もしていないか。

返事だけして理解したふりをしていないか。

相手が忙しいときだけ質問していないか。

ここを確認することで改善することもあります。

ただし、

「自分にも原因があるかもしれない」と考えることと、「全部自分が悪い」と考えることは違います。


こんな場合は早めに相談してほしい

単に、

「教育担当者が少し忙しい」

というレベルではなく、仕事や安全に影響する状態なら早めに相談してください。

例えば、

必要な説明を受けていない状態で作業を任される。

設備の操作方法を教えられていない。

安全上必要なルールを説明されていない。

分からないことを聞いても答えてもらえない状態が続く。

教育担当者から強い言動を受けて質問できない。

こうした場合です。

特に安全に関わる作業について、

分からないまま自己判断で作業を続けることは避けてください。


担当者へ相談しても動いてくれない場合

まず担当者へ具体的に相談します。

それでも、

「分かりました」

「確認しておきます」

と言われたまま状況が変わらない。

何度相談しても確認してくれない。

そんな場合は、担当者一人で諦める必要はありません。

担当者の上司。

派遣元責任者。

派遣会社の相談窓口。

など、別の相談ルートを確認してください。

大切なのは、

相談した日時と内容を残しておくこと

です。

派遣会社の担当者が動いてくれない!相談しても対応されないときの対処法


仕事を教えてもらえないから、すぐ辞めるべき?

私は、

「仕事を教えてもらえないならすぐ辞めた方がいい」

とは思いません。

まず、

なぜ教えてもらえていないのか。

本当に教育不足なのか。

教育担当者が忙しいだけなのか。

教育担当者との相性なのか。

本人側が質問できていないのか。

を確認してみてください。

そのうえで、

教育担当者変更。

配置変更。

教育方法の改善。

別工程。

別の派遣先。

などで解決できる可能性があります。

一方で、相談しても改善されない。

安全上の不安がある。

心身への負担が大きくなっている。

という場合は、無理に我慢し続ける必要はありません。

担当者と今後について相談してください。


派遣社員だから教育されなくて当然ではない

最後に、私が派遣管理をしてきた中で強く感じたことを書きます。

職場によっては、

「派遣だから」

「どうせすぐ辞めるから」

という感覚で教育に十分な時間をかけないケースを見てきました。

私は、

派遣社員を単なる人数として扱う職場では、人は定着しにくい

と感じています。

人が辞める。

だから教育しない。

教育しない。

だから仕事を覚えられない。

仕事を覚えられない。

だから辞める。

これでは何も変わりません。

派遣社員側にも、

教えてもらう姿勢。

質問する姿勢。

覚える努力。

は必要です。

同時に職場側にも、

仕事をするために必要な教育環境を整えることが求められます。

どちらか一方だけの問題として考えないことが大切です。


まとめ|「教えてもらえない」と思ったら一人で悩まない

派遣先で仕事を教えてもらえない原因には、

教育担当者が忙しい。

教育体制が整っていない。

「見て覚える」という職場文化。

教育担当者との相性。

本人が質問できていない。

などがあります。

私は相談を受けたとき、

本人だけの話で判断せず、

派遣先担当者。

教育担当者。

派遣先上司。

同じ派遣会社の社員。

必要なら現場。

まで確認していました。

調べてみると、

本当に教育されていない場合もあります。

反対に、

すでに何度も説明されていた。

本人がメモを取っていなかった。

分からないことを伝えていなかった。

ということもありました。

だから大切なのは、

「誰が悪いか」を最初に決めることではありません。

何が起きているのか確認することです。

そして、

分からないなら、

「分かりません。もう一度教えてください」

と言ってください。

それでも教えてもらえない。

質問できる環境ではない。

放置されている。

そんな状態なら、

一人で悩まず派遣会社の担当者へ具体的に相談してください。

派遣で働くメリットの一つは、

派遣先だけではなく、

派遣元である派遣会社にも相談できること

です。

我慢して限界になってから辞めるのではなく、

問題が小さいうちに相談する。

私はそれが一番大切だと思っています。

「派遣で働く完全ガイド|会社選び・職場見学・人間関係・退職まで業界20年以上の経験から解説」

タイトルとURLをコピーしました