派遣会社の担当者はどこを見ている?業界20年以上・250名を管理して分かった7つのポイント

派遣会社の担当者は応募者のどこを見ている?業界20年以上・5,000名以上を管理して分かったこと

「派遣会社の登録面談では何を見られている?」

「職歴が多いと仕事を紹介してもらえない?」

「未経験でも大丈夫?」

「面談では自分を良く見せた方がいい?」

これから派遣で働こうとしている人なら、一度は気になるのではないでしょうか。

私は派遣業界で20年以上働いてきました。

派遣管理担当を3年、現場管理を7年、総務・人事を6年経験し、管理職として6年間、課長職も経験しました。

自動車関連、電子、薬品、食品関連などの現場に関わり、最大で約250名の派遣社員を管理した経験があります。

その経験から最初に伝えたいことがあります。

派遣会社の担当者が見ているのは、

「経歴が立派かどうか」だけではありません。

私が重要だと感じていたのは、

「この人が、この仕事で無理なく安定して働けそうか」

という部分でした。

今回は派遣会社側で22年間働いてきた経験から、担当者が応募者のどこを見ているのか、逆にどんなところで「少し確認が必要だな」と感じるのかをお伝えします。


まず知ってほしい|派遣会社の登録面談は何のためにあるのか

派遣会社へ登録すると、担当者との面談や仕事紹介があります。

ここで、

「採用されるために良く見せなければ」

と思う人もいるでしょう。

しかし、私は少し違うと思っています。

派遣会社にとって重要なのは、

あなたと仕事をマッチングさせることです。

例えば、

夜勤が難しい人に3交替勤務を紹介しても長続きしないでしょう。

人と話す仕事が苦手なのに、接客中心の仕事を紹介しても本人が苦しくなるかもしれません。

細かな作業が好きな人なら、検査などの仕事が合う可能性があります。

大切なのは、

「すごい人」に見せることではなく、「自分がどんな人なのか」を担当者に正しく伝えること。

私はここがスタートだと考えています。


担当者が見ているポイント①「安定して出勤できそうか」

私が派遣先企業から受けた相談の中で多かったものの一つが、

出勤状況に関すること

でした。

これは特に製造現場では大きな問題になることがあります。

例えば10人で行う予定だった仕事で、当日に1人欠勤したとします。

残り9人でカバーする。

別部署から応援を呼ぶ。

配置を変更する。

残業が発生する。

このように、一人の欠勤が周囲にも影響する場合があります。

だから担当者としては、

「経験があります」

「仕事には自信があります」

ということだけでなく、

安定して勤務できるか

も確認したいわけです。

もちろん、人間ですから体調を崩すこともあります。

家族の事情などで休まなければならないこともあります。

「一度も休んではいけない」という話ではありません。

私が見ていたのは、

働く条件と本人の生活に無理がないか

です。

例えば、

「朝6時からの勤務ですが通勤できますか?」

「交替勤務ですが生活リズムは問題ありませんか?」

「通勤にはどのくらいかかりますか?」

こうした確認です。

ここで無理をして、

「全部大丈夫です!」

と言う必要はありません。

できないことは、最初に伝えた方がいい。

入社後に、

「やっぱり無理でした」

となる方が、本人にも派遣会社にも派遣先にも負担が大きくなるからです。


ポイント②「話している内容に一貫性があるか」

私が面談などで注意していたポイントの一つが、

話の一貫性

です。

例えば最初に、

「夜勤は問題ありません」

と言っていたのに、話を進めると、

「夜はできれば働きたくありません」

となる。

あるいは、

「長期で働きたい」

と言っていたのに、

「半年後には辞める予定です」

という話が出てくる。

これは「嘘をついている」と決めつけるという意味ではありません。

本人も話しているうちに希望が整理されることがあります。

だから担当者として確認します。

「先ほどのお話では○○でしたが、△△という理解で合っていますか?」

大切なのは、

話を完璧にすることではありません。

分からないことは、

「分かりません」

でも構いません。

迷っているなら、

「まだ迷っています」

でいい。

むしろ、無理に話を作ってしまう方が後から説明が合わなくなります。


ポイント③「自分を必要以上に良く見せようとしていないか」

これは私自身が担当者として何度も感じたことです。

仕事を紹介してもらいたい。

採用されたい。

条件の良い仕事に入りたい。

そう思えば、自分を良く見せたくなる気持ちは理解できます。

しかし、

必要以上に自分を大きく見せる必要はありません。

例えば経験したことがない仕事について、

「できます」

と言ってしまう。

機械操作の経験がほとんどないのに、

「問題ありません」

と言う。

以前の仕事を辞めた理由について、事実と違う説明をする。

これらは入社できたとしても、後から本人を苦しめる可能性があります。

派遣会社の担当者が知りたいのは、

「完璧な人か」ではなく「どの仕事なら合いそうか」

です。

未経験なら、

「未経験ですが、覚えたいです」

でいい。

苦手なら、

「経験はありますが、得意ではありません」

でもいい。

私はその方が仕事を紹介しやすいと考えています。


ポイント④「退職理由を自分の言葉で説明できるか」

転職回数が多いことを気にする人は多いと思います。

「3社辞めているから不利かな」

「短期間で辞めた会社がある」

「職歴が多いから仕事を紹介してもらえないのでは?」

しかし、私が重要だと思っていたのは、

転職回数そのものだけではありません。

「なぜ辞めたのか」

です。

例えば、

仕事内容が聞いていたものと違った。

家庭事情があった。

勤務時間が合わなかった。

契約満了だった。

別の仕事に挑戦したかった。

人間関係で悩んだ。

理由はいろいろあります。

大切なのは、

事実を整理して説明すること。

逆に、

「全部会社が悪かった」

「上司が最悪だった」

「周りがおかしかった」

と毎回同じような説明になる場合は、担当者としてもう少し詳しく話を聞くことがあります。

責めるためではありません。

次の職場でも同じ問題が起きないか確認するためです。


ポイント⑤「仕事内容を理解しようとしているか」

私が担当者として好印象だったのは、

仕事について質問する人

です。

「具体的にはどんな作業ですか?」

「一日の流れはどうなっていますか?」

「どんなところが大変ですか?」

「未経験者が苦労するのはどこですか?」

「どのくらいで仕事を覚えますか?」

こうした質問をする人を見ると、

「実際に働くことを考えているんだな」

と感じます。

反対に、

「時給はいくらですか?」

「残業は何時間ですか?」

「いつから働けますか?」

だけで決めてしまうのは、私は少し心配でした。

もちろん給与は重要です。

私も仕事を選ぶなら給与を確認します。

しかし、

給与だけで仕事を選ぶと、仕事内容とのミスマッチが起きる可能性があります。


ポイント⑥「その仕事を続ける理由があるか」

私が長く働いている派遣社員を見てきて感じたことがあります。

長く続く人には、

その仕事を続ける理由

がありました。

例えば、

「正社員への転換を目指したい」

「この仕事が好き」

「家から近くて働きやすい」

という理由です。

ものすごく立派な志望動機である必要はありません。

むしろ、

「家から近い」

という理由は私は非常に現実的だと思っています。

通勤時間が短い。

生活への負担が少ない。

仕事が終わって早く帰れる。

結果として続けやすい。

これも十分な理由です。

だから私は、

「なぜこの仕事をしたいのか?」

を大切にしていました。


ポイント⑦「コミュニケーションが取れるか」

ここで誤解してほしくないことがあります。

よく喋る人が良いわけでも、無口な人が悪いわけでもありません。

私が見ていたのは、

質問に対して答えられるか。

相手の話を聞けるか。

分からないことを確認できるか。

困ったときに相談できるか。

という部分です。

特に製造現場では、

「分からないけど、とりあえずやりました」

が大きな問題につながる可能性があります。

分からないなら、

「分かりません」

と伝える。

作業に不安があるなら、

「もう一度確認させてください」

と言える。

私は、これも重要なコミュニケーション能力だと考えています。


「よく喋る人」に私が感じていた違和感の正体

私自身、短期間で辞める人の特徴として、

「よく喋る」

と感じた経験があります。

ただ、20年以上の経験を振り返ると、

「話す量」が問題だったわけではない

と思います。

問題だったのは、

質問と回答が合っていない。

話すたびに内容が変わる。

必要以上に自分を良く見せる。

事実と違う内容が混ざる。

相手の話を聞かず、一方的に話し続ける。

こうした部分でした。

逆に、よく話す人でも、

話に一貫性がある。

質問にきちんと答える。

相手の話も聞く。

分からないことを確認する。

という人なら何も問題ありません。

だから、

「面談ではあまり話さない方がいい」

という意味ではありません。

大切なのは、

話す量より中身です。


派遣登録で「正直に話したら不利になる」は本当?

ここは多くの人が不安になるところだと思います。

例えば、

「未経験と言ったら紹介してもらえないのでは?」

「前職を短期間で辞めたと言ったら不利になるのでは?」

と思うかもしれません。

もちろん、仕事によって必要な経験や条件があります。

経験が必要な仕事なら、未経験では紹介が難しいこともあります。

しかし、だからといって事実と違うことを伝えるのはおすすめしません。

なぜなら派遣会社は、

あなたに仕事を紹介して終わりではないからです。

働き始めたあとも雇用関係が続きます。

仕事内容が合わない。

経験が足りない。

勤務条件が違う。

となれば、本人も苦しくなります。

私は、

できないことを隠して入社するより、できることを正しく伝えて合う仕事を探す方がいい

と思っています。


派遣先企業は何を気にしていたのか?

私が派遣先から受けることが多かった相談は、

①出勤状況

②職場での振る舞い

③就業歴に関する確認

でした。

特に重要なのが出勤状況です。

派遣先は、

「経験10年の人だから」

だけで受け入れているわけではありません。

職場で安定して仕事をしてもらう必要があります。

だから派遣会社側としても、

経験。

スキル。

勤務条件。

通勤。

本人の希望。

仕事との相性。

などを確認します。

ただし、通常の労働者派遣では、派遣先が派遣開始前に面接をしたり履歴書を求めたりするなど、派遣労働者を特定する目的の行為には制限があります。紹介予定派遣は扱いが異なります。

職場見学がある場合でも、

「派遣先に採用してもらうための面接」

とは本来別のものです。


面談で絶対に「盛らなくていい」5つのこと

派遣会社との面談では、私は次の5つを正直に話した方がいいと思っています。

①できること・できないこと

未経験なら未経験で構いません。

②希望する給与

希望があるなら伝える。

③働ける時間

夜勤が難しいなら最初に伝える。

④通勤できる範囲

毎日通うことを考えて判断する。

⑤今後どうなりたいか

正社員を目指したい。

期間を決めて働きたい。

経験を積みたい。

まだ分からない。

どれでも構いません。

担当者に合わせた答えを作る必要はありません。

自分の条件を正確に伝える方が、結果としてミスマッチを減らせます。


逆に応募者も派遣会社を見てほしい

ここまで、

「派遣会社はあなたの何を見ているのか」

を書いてきました。

でも、一方的ではありません。

あなたも派遣会社を見てください。

担当者は仕事内容を理解しているか。

質問に具体的に答えてくれるか。

良いことしか言っていないか。

無理に入社を急がせていないか。

入社後の担当者は決まっているか。

困ったときの相談先はあるか。

私は前回の記事でも書きましたが、特に確認してほしいのが、

派遣社員の人数に対して、管理担当者が何人いるか

です。

担当者一人があまりにも多くの人を抱えていると、十分なフォローが難しくなる可能性があります。

面談は、

派遣会社があなたを見る場所であると同時に、あなたが派遣会社を見る場所でもある。

そう考えてください。


私は担当者になりたての頃に失敗した

私自身、担当者として失敗した経験があります。

担当者になりたての頃、

派遣社員よりも上司の考えを気にして行動してしまったことがあります。

「上司はどう判断するだろう」

「会社としてどう対応すべきだろう」

そこを優先しすぎて、担当していた社員に迷惑をかけました。

今振り返れば、

もっと本人の話を聞けばよかった。

もっと現場を確認すればよかった。

と思います。

この経験があるからこそ、

派遣担当者がすべて正しいとは思っていません。

担当者も人です。

経験の浅い担当者もいます。

忙しい担当者もいます。

判断を間違えることもあります。

だから派遣で働く人にも、

担当者任せにしないでほしいと思っています。


厚生労働省が示す採用の基本も「適性・能力」

採用に関して、厚生労働省は、応募者の基本的人権を尊重し、本人の適性・能力に基づいて判断することを基本としています。

本籍・出生地、家族の職業や収入、宗教、支持政党など、本人の適性・能力と関係のない事項を把握して採用判断につなげることは、公正な採用選考の観点から問題があります。

派遣会社への登録でも、

仕事に必要な能力や条件とは関係のないことまで何でも答えなければならない、というわけではありません。

不自然な質問を受けた場合は、

「この質問は仕事とどのような関係がありますか?」

と確認してもいいと私は思います。


20年以上派遣業界にいた私が、これから派遣登録する人に伝えたいこと

面談で完璧な人になろうとしなくていい。

立派な経歴を作らなくていい。

できないことまで、

「できます」

と言わなくていい。

私は20年以上派遣業界で働き、最大約250名を管理してきました。

その経験から感じるのは、

「自分を良く見せる人」より「自分を理解している人」の方が仕事を合わせやすい

ということです。

何ができるのか。

何が苦手なのか。

いくら必要なのか。

どのくらい通勤できるのか。

どんな働き方をしたいのか。

そして、

「この仕事を何のためにするのか」

そこを考えてみてください。


まとめ|派遣会社の面談は「自分を売り込む場所」だけではない

派遣会社の担当者が見ているポイントをまとめます。

①安定して勤務できそうか

②話している内容に一貫性があるか

③必要以上に自分を良く見せていないか

④退職理由を自分の言葉で説明できるか

⑤仕事内容を理解しようとしているか

⑥その仕事を続ける理由があるか

⑦必要なコミュニケーションが取れるか

しかし、これを、

「担当者に評価されるためのテクニック」

として使ってほしいわけではありません。

私が伝えたいのは逆です。

自分に合わない仕事へ入るために、自分を作らないでほしい。

派遣は、自分に合った仕事を探すために使えるツールです。

だからこそ、

「採用されるために何を言えばいい?」

ではなく、

「自分にはどんな仕事が合っている?」

と考えてみてください。

そして派遣会社の担当者には、できることも、できないことも伝える。

担当者の説明にも疑問があれば質問する。

そのうえで、

自分で仕事を選ぶ。

派遣会社があなたの人生を決めるのではありません。

担当者も、派遣先も、仕事を探すための選択肢の一つです。

最後に決めるのは、

あなた自身です。

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