派遣社員から正社員になるには?実際に正社員登用された人の特徴と方法
「派遣社員から正社員になることはできる?」
「何年くらい働けば正社員になれる?」
「正社員になれる人となれない人には、どんな違いがある?」
派遣として働きながら、こんな疑問を持っている人も多いのではないでしょうか。
私は派遣業界で20年以上働き、派遣スタッフのフォロー、採用、現場管理、総務人事、管理職などを経験してきました。
最大で約250名の派遣社員を担当・管理した経験があります。
その中で、派遣先の正社員になった人も数多く見てきました。
私が関わってきた範囲では、およそ2割程度の人が正社員になったケースがありました。
ただし、この「2割」は日本全体の派遣社員の正社員登用率を示す統計ではありません。
あくまで、私が担当・管理してきた職場や派遣社員の中での経験です。
そして20年以上この仕事をしてきて感じるのは、
「仕事ができるだけでは正社員になれない」
ということです。
派遣先が見ていたのは、仕事の速さだけではありませんでした。
出勤率。
人柄。
周囲との関係。
コミュニケーション。
仕事への姿勢。
改善する力。
こうした部分も見られていました。
この記事では、派遣業界で実際に正社員登用に関わってきた経験から、
派遣から正社員になった人の特徴、正社員になれなかった人との違い、正社員を目指すために何をすればいいのか
を解説します。
派遣社員から正社員になることはできる
結論から言えば、
派遣社員から派遣先の正社員になるケースはあります。
私自身、実際に何人も見てきました。
派遣として入社。
↓
派遣先で仕事を覚える。
↓
一定期間勤務する。
↓
派遣先から評価される。
↓
正社員登用について話が出る。
↓
必要な手続きを経て正社員になる。
私が経験した職場では、このような流れがありました。
ただし、ここで勘違いしてほしくないことがあります。
「○年間派遣で働けば必ず正社員になれる」という仕組みではありません。
正社員登用制度の有無や採用枠、本人の評価、会社の経営状況などによって変わります。
だから、
「3年頑張れば正社員にしてもらえるだろう」
と何となく待ち続けるのはおすすめしません。
正社員になりたいなら最初に「登用実績」を確認する
私がこれから派遣で働く人に伝えたいのが、
最初に正社員登用実績を確認すること
です。
求人票に、
「正社員登用あり」
と書いてあるだけで判断するのではなく、可能なら派遣会社の担当者へ確認してください。
例えば、
「この派遣先では実際に正社員になった人はいますか?」
「最近、派遣社員から正社員になった実績はありますか?」
「正社員になるまでどのくらい働いた人が多いですか?」
「どのような人が正社員になっていますか?」
と聞いてみます。
ここは非常に重要です。
制度があることと、実際に登用されていることは同じではありません。
本気で正社員を目指すなら、「制度があるか」だけでなく「実績があるか」まで確認してほしいと思います。
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私が見てきた正社員になった人の5つの特徴
正社員になった人を振り返ると、共通する部分がありました。
もちろん、すべての会社に当てはまるわけではありません。
あくまで私が20年以上派遣業界で働いてきた中で感じた特徴です。
①出勤率が高い
私はこれを非常に重要だと考えています。
仕事ができても、欠勤が多い。
遅刻が多い。
早退が多い。
連絡なしで休む。
これでは、派遣先としても正社員として採用する判断をしにくくなります。
逆に、
毎日安定して出勤する。
遅刻しない。
休む場合はルールに沿って連絡する。
こうしたことを続けている人は信頼されやすくなります。
派遣から正社員を目指すなら、
特別なことをする前に、まず安定して働くこと。
私はここが基本だと思っています。
②仕事を覚えるのが早い
正社員になった人には、仕事を覚えるのが早い人も多くいました。
ただ、
「頭がいい人しか正社員になれない」
という意味ではありません。
分からないことを質問する。
教えてもらったことを覚える。
同じ失敗を減らす。
仕事の流れを理解する。
次に何をすればいいか考える。
こうした積み重ねです。
以前の記事でも書きましたが、
仕事を教えてもらえないと悩んでいる場合でも、本人側から質問する姿勢は重要です。
正社員を目指すのであれば、
「指示されたことだけやる」から一歩進む
ことがポイントになります。
③改善提案ができる
私が見てきた中では、改善提案ができる人も評価されていました。
例えば、
「この置き方にした方が作業しやすいと思います」
「ここを変更するとミスを減らせそうです」
「この手順なら時間を短縮できるのではないでしょうか」
といった提案です。
もちろん、勝手に作業方法を変えるという意味ではありません。
決められたルールを守ったうえで、
「もっと良くできないか?」
と考えられる人です。
派遣社員という立場でも、
「自分には関係ない」
ではなく、職場を良くしようとする。
そういう姿勢を見ている会社はありました。
④周囲との関係が良い
正社員登用というと、
「一番仕事ができる人が選ばれる」
と思うかもしれません。
しかし、私の経験ではそれだけではありませんでした。
派遣先から、
「この人を正社員にしたい」
という話が出るとき、
人柄や周囲との関係
について話が出ることも多くありました。
挨拶ができる。
周囲と協力できる。
困っている人を手伝える。
人によって態度を変えない。
必要なコミュニケーションが取れる。
正社員になれば、長くその会社で働くことになります。
そのため、
「この人とこれからも一緒に働きたいか」
という視点も重要なのだと思います。
⑤残業・休日出勤などへの対応が柔軟
これも私が見てきた正社員になった人の特徴の一つです。
繁忙期に残業へ対応できる。
必要なときに休日出勤へ協力できる。
勤務変更へ柔軟に対応する。
こうした人が評価されるケースはありました。
ただし、
「正社員になりたいなら残業や休日出勤を全部断ってはいけない」
という意味ではありません。
家庭事情や健康上の事情もあります。
雇用契約や労働時間のルールもあります。
大切なのは、自分が対応できる範囲で協力し、難しい場合はきちんと伝えることです。
派遣先は「仕事ができる」だけを見ていなかった
これは正社員を目指す人に特に伝えたい部分です。
派遣先から、
「この人を正社員にしたい」
という相談を受けたとき、評価されていたのは仕事だけではありませんでした。
私が実際に感じた評価ポイントは、
仕事ができること。
人柄。
出勤率。
周囲へ良い影響を与えられること。
コミュニケーションの取り方。
です。
つまり、
仕事のスピードが一番速ければ正社員になれる、
という単純な話ではありません。
正社員になれなかった人にも共通点があった
反対に、
「本人は正社員になりたいと言っているけれど、登用につながらない」
というケースもありました。
私が実際に経験した主な理由は、
出勤率が悪い。
勤務態度に問題がある。
必要な仕事の習得が進んでいない。
そもそも正社員の登用枠がない。
というものでした。
出勤率が悪い
やはりここは大きいです。
派遣社員のときから欠勤や遅刻が多い人を、
「正社員になったら安定して出勤してくれるだろう」
と判断するのは難しくなります。
正社員を目指すのであれば、
まず現在の勤務実績を整える。
これは非常に重要です。
勤務態度に問題がある
仕事はできる。
でもルールを守らない。
注意されると反発する。
周囲とトラブルが多い。
必要な報告をしない。
こうした状態では、正社員登用につながりにくいケースがありました。
正社員になれば、派遣社員だったとき以上に責任を求められることもあります。
そのため、
能力と勤務姿勢の両方
を見られていると考えた方がいいでしょう。
仕事の習得が進まない
仕事を覚える速さには個人差があります。
そのため、
「覚えるのが遅いからダメ」
と単純に判断するものではありません。
しかし一定期間働いても、一人で担当できる業務が増えない。
何度も同じミスをする。
教えた内容が定着しない。
こうした状態では、正社員登用の評価につながらないケースがありました。
大切なのは、
最初から仕事ができることではなく、成長していること
だと思います。
本人が優秀でも「登用枠がない」ことがある
これは本人の努力だけでは解決できません。
仕事ができる。
出勤率も高い。
人間関係も良い。
派遣先からの評価も高い。
それでも、
正社員の採用枠がない。
ということがあります。
ここは非常に重要です。
正社員になれないからといって、
「自分は評価されていない」
とは限りません。
会社側に採用計画がなければ、本人がどれだけ頑張っても正社員登用につながらない場合があります。
だからこそ、
ただ待つのではなく確認すること
が必要なのです。
正社員になるまで1〜2年のケースが多かった
私が経験した中では、
1年〜2年程度働いてから正社員になるケース
が多くありました。
しかし、これは法律上、
「1年働けば正社員になれる」
「2年働けば正社員にしなければならない」
という意味ではありません。
あくまで私が関わった職場での実例です。
会社によって登用制度や時期は違います。
半年程度で話が出る会社もあれば、もっと長期間働いてから判断する会社もあります。
だから、
「あと○カ月働けば正社員になれるはず」
と思い込まないことです。
ただ待っていても正社員にはならない
私が正社員を希望する派遣社員へ特に伝えたいのがこれです。
正社員になりたいなら、その意思を伝えてください。
派遣会社の担当者は、
本人が正社員を希望していることを知らなければ動けません。
私は本人から、
「正社員になりたいです」
と相談された場合、
派遣先へ確認する。
正社員登用制度を確認する。
本人の現在の評価を確認する。
改善点があれば本人へ伝える。
紹介予定派遣を検討する。
正社員につながる別の求人を提案する。
といった対応をしていました。
「いつか声をかけてもらえるだろう」
と待つだけではなく、
自分からキャリアの希望を伝えること
が重要です。
担当者に「自分の評価」を聞いてみる
正社員になりたいなら、派遣会社の担当者へ、
「正社員を目指したいのですが、現在の私の評価について派遣先へ確認してもらえませんか?」
と相談してみる方法もあります。
さらに、
「正社員になるために改善した方がいいところはありますか?」
と聞いてみてください。
これは非常に重要です。
自分では、
「仕事はできている」
と思っていても、派遣先は違う部分を見ている可能性があります。
出勤率かもしれない。
コミュニケーションかもしれない。
仕事の正確性かもしれない。
改善点が分かれば、行動できます。
「正社員登用あり」だけで派遣先を選ばない
求人を見ると、
「正社員登用あり」
という言葉に魅力を感じると思います。
しかし、本気で正社員を目指すなら、もう一歩確認してください。
重要なのは、
正社員登用の実績があるか
です。
私は、
「制度があります」
より、
「昨年○人が正社員になっています」
という会社の方が判断材料として具体的だと考えています。
派遣会社の担当者へ、
「実際に正社員になった人はいますか?」
と聞いてみてください。
紹介予定派遣という方法もある
最初から直接雇用を強く希望している場合は、
紹介予定派遣
という仕組みもあります。
紹介予定派遣は、一定の派遣期間を経た後に、派遣先への職業紹介を行うことを予定している派遣です。
派遣期間中に、
本人は、
「この会社で働き続けたいか」
を確認できます。
企業側も、
「この人に直接雇用で働いてもらいたいか」
を確認できます。
その後、双方の意思などを踏まえて職業紹介・直接雇用へ進む仕組みです。
ただし、
紹介予定派遣だから必ず正社員になれるわけではありません。
また、直接雇用された場合の雇用形態が必ず正社員とは限りません。
応募するときには、
「直接雇用後の雇用形態は何ですか?」
まで確認してください。
派遣から正社員を目指すならやってほしい7つのこと
私の経験から、正社員を目指す人には次の行動をおすすめします。
①正社員登用実績を確認する
制度だけでなく、実際に登用された人がいるのか確認します。
②担当者へ正社員希望を伝える
黙って待たないことです。
③出勤率を意識する
安定して勤務することは大きな信頼につながります。
④仕事を覚える
分からないことは質問し、できる仕事を増やします。
⑤周囲との関係を大切にする
仕事は一人でするものではありません。
⑥改善する姿勢を持つ
「もっと良くできないか」を考えます。
⑦期限を決める
ここは非常に重要です。
例えば、
「1年働いたら担当者へ確認する」
「2年経っても可能性がないなら別の選択肢を考える」
というように、自分なりの期限を決めてください。
何年も、
「いつか正社員になれるかもしれない」
と待ち続ける必要はありません。
正社員になれないなら派遣先を変えるのも選択肢
現在の派遣先に正社員登用制度がない。
登用枠がない。
今後も予定がない。
こうした場合は、
別の派遣先を検討することも選択肢です。
正社員登用実績のある派遣先。
紹介予定派遣。
派遣会社が扱っている正社員求人。
自分で行う転職活動。
方法はいくつもあります。
私は派遣を、
自分に合った仕事や働き方を見つけるための一つのツール
だと考えています。
正社員になりたいという目標があるなら、
「今の派遣先に居続けること」
そのものを目的にしない方がいいと思います。
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正社員になった後まで考える
もう一つ考えてほしいことがあります。
それは、
「なぜ正社員になりたいのか?」
です。
雇用の安定。
収入。
賞与。
昇給。
仕事内容。
キャリア。
家族。
住宅ローン。
理由は人それぞれです。
「派遣より正社員の方が絶対にいい」
と単純に考えるのではなく、
自分がどんな働き方をしたいのか
から考えてください。
正社員になることはゴールではありません。
その会社で、
どんな仕事をするのか。
どのくらいの給与なのか。
転勤はあるのか。
勤務時間はどうなるのか。
どんなキャリアがあるのか。
正社員登用の話が出たら、雇用条件もしっかり確認してください。
まとめ|派遣から正社員になりたいなら「待たない」
私は派遣業界で20年以上働き、多くの派遣社員を見てきました。
その中で正社員になった人に多かったのは、
出勤率が高い。
仕事を覚えるのが早い。
改善提案ができる。
周囲との関係が良い。
勤務への対応が柔軟。
という特徴でした。
そして派遣先が見ていたのは、
「仕事ができるか」
だけではありません。
人柄。
出勤率。
周囲への影響。
コミュニケーション。
こうした部分も評価されていました。
一方で、
本人がどれだけ頑張っても、
会社に正社員登用枠がなければ登用されない
ことがあります。
だからこそ、
正社員になりたいなら、
最初に登用実績を確認する。
担当者へ正社員になりたいと伝える。
現在の評価を確認する。
改善できるところを改善する。
そして、
いつまで待つのか自分で決める。
ことが重要です。
ただ待っているだけでは、未来は変わりません。
正社員になりたいなら、
まず派遣会社の担当者へ、
「私は正社員を目指しています」
と伝えるところから始めてみてください。

