派遣社員は残業を断れる?残業したくないときの伝え方と注意点

派遣業界

派遣社員は残業を断れる?残業したくないときの伝え方と注意点

「派遣社員でも残業しないといけない?」

「今日、急に残業を頼まれたけど断っていい?」

「残業を断ったら契約更新されなくなる?」

「求人では残業が少ないと聞いていたのに、最近残業が増えている……」

派遣社員として働いていると、残業について悩むことがあります。

私は派遣業界で20年以上働き、派遣スタッフのフォロー、採用、現場管理、総務人事、管理職などを経験してきました。

最大で約250名の派遣社員を担当・管理してきた中で、残業に関する相談も受けてきました。

ただ、私が担当してきた現場では、

「残業したくない」という人より、「残業して収入を増やしたい」という人の方が多かった

というのが実際のところです。

一方で、

入社前は「残業できます」と言っていたものの、働き始めてから毎回残業を断るようになった人もいました。

また、人員の退職や繁忙期が重なり、入社時に説明していたより残業が増えた職場もありました。

では、派遣社員は残業を断ることができるのでしょうか。

結論から言えば、

「派遣社員だから残業はすべて断れる」とも、「派遣先から頼まれたら必ず残業しなければならない」とも一律には言えません。

まず確認してほしいのは、

自分の労働条件や就業条件では残業がどのように定められているのか

です。

そのうえで、残業が難しい事情があるなら、できるだけ早く派遣会社の担当者へ相談してください。

この記事では、派遣業界で20年以上働いてきた経験から、派遣社員の残業について、現場で実際にあったケースを交えながら解説します。


派遣社員でも残業はある

まず知っておいてほしいのは、

派遣社員だから残業がないわけではない

ということです。

派遣先や仕事内容によっては残業があります。

特に製造業では、

生産量が増える。

繁忙期になる。

退職者が出る。

欠勤者が出る。

納期が迫っている。

といった理由で、通常より残業が増える場合があります。

私が担当していた職場でも残業はありました。

だからこそ求人や入社前には、

残業時間について説明する

ようにしていました。


派遣社員は残業を断れる?

ここが一番知りたいところだと思います。

しかし、

「派遣なら自由に残業を断れる」

と単純に考えるのはおすすめしません。

反対に、

「派遣先に言われたら絶対に残業しないといけない」

と考えるのも違います。

まず、

労働条件。

就業条件。

残業の有無。

派遣元の36協定。

実際の残業時間。

残業を求められた状況。

などを確認する必要があります。

自分の判断だけで、

「派遣だから残業しません」

と決めるのではなく、残業ができない事情があるなら派遣会社の担当者へ相談してください。


まず入社前の条件を確認する

私が特に伝えたいのが、

残業については入社前に確認する

ということです。

例えば、

「残業はありますか?」

だけではなく、

「月に何時間くらいありますか?」

「毎日ありますか?」

「繁忙期はどのくらい増えますか?」

「残業できない日がある場合は相談できますか?」

など、具体的に確認します。

私自身も、求人や入社前には残業時間について説明していました。

残業できない事情が最初から分かっているのであれば、

働き始めてからではなく、できるだけ事前に伝えてください。

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「残業できます」と言って入社した後に変わったケース

実際に私が経験したケースがあります。

入社前には、

「残業したいです」

と言っていた人がいました。

しかし、入社後は残業を毎回断るようになりました。

派遣先からすると、

「入社前に聞いていた話と違う」

ということになります。

もちろん、働き始めてから事情が変わることはあります。

家庭環境が変わる。

体調面で難しくなる。

通勤事情が変わる。

実際に働いてみたら想像以上に体力的な負担が大きかった。

こうしたことは起こります。

問題なのは、

事情が変わったのに何も説明しないこと

です。

残業ができなくなったなら、

「入社時には残業可能とお伝えしていましたが、現在○○という事情があり、残業が難しくなりました」

と派遣会社の担当者へ相談してください。


その日の気分だけで残業を断らない

私が派遣社員へ伝えたいことの一つです。

「今日はなんとなく残業したくない」

「疲れたから帰りたい」

「みんなが残っているけど自分だけ帰りたい」

というように、

その日の気分だけで毎回判断するのは避けてほしい

と思います。

もちろん、体調が悪い場合や家庭事情などがある場合は別です。

重要なのは、

残業できない理由があるなら早めに相談すること

です。

毎回その場になってから断るより、

「毎週水曜日は家庭事情で残業ができません」

など、事前に相談できることは相談した方が派遣先も人員配置を考えやすくなります。


残業を断るなら誰に伝える?

私が担当していたケースでは、

派遣先で、

「今日は残業できますか?」

と聞かれた場合、その場で聞いてきた人へ、

「今日はできません」

と伝えるケースが多くありました。

ただし、残業できない状態が一時的ではなく今後も続く場合は、

派遣会社の担当者にも相談してください。

例えば、

「今後は家庭事情で残業が難しくなりました」

「体力的に毎日の残業は難しいです」

「入社前に聞いていた残業時間よりかなり増えています」

といった場合です。

派遣会社が状況を知らなければ、派遣先との調整もできません。


残業できないときの伝え方

残業を断ることになった場合も、伝え方は大切です。

例えば、

「申し訳ありません。今日は家庭の都合があるため残業ができません」

「本日は予定があり残業できません。明日であれば対応できます」

など、簡潔に伝えればいいでしょう。

今後継続して残業が難しい場合は、

「今後の残業について相談したいことがあります」

と派遣会社の担当者へ連絡します。

大切なのは、

無視したり、勝手に帰ったりするのではなく、きちんと伝えること

です。


派遣先から毎日残業を頼まれる場合

入社時には、

「残業は月10時間程度」

と説明されていた。

ところが実際には毎日のように残業を求められる。

このような場合は、一度派遣会社へ相談してください。

私が経験した中でも、

人員の退職と繁忙期が重なって残業が増えた

ことがありました。

会社の状況は変化します。

入社時の説明が嘘だったとは限りません。

しかし、

当初聞いていた状況と大きく変わっているのであれば、確認することは必要です。


残業が増えたら担当者へ確認する

例えば、

「入社前には月○時間程度と説明を受けていましたが、最近は月○時間ほどになっています。今後もこの状態が続くのでしょうか?」

と相談します。

派遣会社から派遣先へ、

現在の残業状況。

繁忙期がいつまで続くのか。

今後の人員計画。

などを確認できる場合があります。

一時的な繁忙期なのか。

今後も残業が続くのか。

ここが分かるだけでも判断しやすくなります。


残業できない場合に担当者ができること

私が残業できない派遣社員から相談を受けた場合は、

派遣先へ相談する。

勤務条件を再確認する。

部署変更を検討する。

条件の合う別求人を提案する。

といった対応をしていました。

例えば、

今の部署では残業が多い。

しかし別部署なら残業が少ない。

という場合があります。

派遣先の状況にもよりますが、配置変更によって解決できる可能性もあります。


「残業したい」という派遣社員も多かった

残業というと、

「できればしたくない」

というイメージがあるかもしれません。

しかし私が担当してきた中では、

残業したいという派遣社員の方が多くいました。

理由の一つは収入です。

「できるだけ稼ぎたい」

「残業がある仕事を紹介してほしい」

という希望を持つ人もいました。

そのため、

残業が多い=悪い職場。

残業が少ない=良い職場。

とは一概に言えません。

大切なのは、

自分が希望する働き方と職場の条件が合っているか

です。


残業したい人も確認が必要

反対に、

「もっと残業したい」

からといって、自分の判断だけで残って仕事をすることは避けてください。

残業には会社側の指示や労働時間管理が関係します。

仕事が終わった後、

「稼ぎたいからあと2時間働きます」

と本人だけで決めるものではありません。

派遣先や派遣会社のルールに従ってください。


派遣社員の残業にも36協定が関係する

ここから少し制度の話です。

労働基準法では、原則として1日8時間、週40時間が法定労働時間です。

法定労働時間を超えて労働させるためには、原則として36協定など法律上必要な条件を満たす必要があります。

派遣社員の場合、時間外労働・休日労働を行わせるには、

派遣元の事業場で締結・届出された36協定

が必要です。

派遣先は、その36協定の範囲を超えて派遣社員へ時間外労働などをさせることはできません。


派遣先にも労働時間管理の責任がある

派遣社員の雇用主は派遣会社です。

しかし実際の仕事では、派遣先から指揮命令を受けます。

そのため労働時間についても、派遣元と派遣先でそれぞれ役割があります。

派遣先には、

派遣社員の始業・終業時刻を確認するなど、

実際の労働時間を適正に把握すること

が求められています。

「派遣社員だから労働時間のルールは関係ない」

ということではありません。


残業代が出ない「サービス残業」は別問題

ここは残業を断るかどうかとは分けて考えてください。

例えば、

「タイムカードを押してから仕事してください」

「残業として申告しないでください」

「30分くらいだから残業を付けません」

など、実際に働いているのに労働時間として適切に扱われない場合です。

使用者が労働者に法定時間外労働をさせた場合には、法律に基づく割増賃金の支払いが必要です。

派遣社員だから残業代が不要になるわけではありません。

実際に働いた時間と勤怠記録が違うなどの問題があれば、派遣会社へ相談してください。


残業を断ったら契約更新されない?

これを心配する人もいるでしょう。

しかし、

「一度残業を断ったら契約更新されない」

と一律には言えません。

実際の契約更新には、さまざまな事情が関係します。

ただ、私が現場で経験したように、

入社前には、

「残業したいです」

「残業できます」

と言っていた。

しかし入社後は毎回断っている。

という状態であれば、派遣先から、

「入社前に聞いていた条件と違う」

と相談される可能性はあります。

だからこそ、

事情が変わったら早めに担当者へ伝えること

が重要なのです。


残業したくないなら仕事選びの段階で伝える

私はこれが一番重要だと思っています。

残業ができないなら、

仕事を紹介された段階で伝えてください。

例えば、

「子どもの迎えがあるので17時以降は働けません」

「家庭事情で平日の残業は難しいです」

「残業が月○時間以内の仕事を希望しています」

などです。

最初から分かっていれば、派遣会社も条件に合った求人を探しやすくなります。

逆に、

「採用されたいから残業できますと言っておこう」

という考え方はおすすめしません。

働き始めてから自分が困ることになります。


派遣の残業で確認したい7つのこと

残業について不安があるなら、次の点を確認してみてください。

①求人では残業についてどう説明されていたか

②自分に明示された労働条件・就業条件はどうなっているか

③通常どのくらい残業があるのか

④繁忙期にはどの程度増えるのか

⑤自分はどこまで残業できるのか

⑥残業できない事情を担当者へ伝えているか

⑦実際に働いた残業時間が正しく記録され、賃金に反映されているか

残業の問題は、

「断るか、断らないか」

だけではありません。

働き始める前の確認が非常に重要です。


まとめ|残業できないなら早めに伝える

派遣社員でも残業がある仕事はあります。

私が20年以上派遣業界で働いてきた中では、

「残業したくない」

という人より、

「残業して収入を増やしたい」

という人の方が多くいました。

一方、

入社前には残業を希望していたものの、入社後は毎回断るようになったケースもあります。

人員の退職や繁忙期によって、当初より残業が増えた職場もありました。

だからこそ、残業について一番伝えたいのは、

入社前に条件を確認すること。

できない事情があるなら早めに伝えること。

その日の気分だけで毎回判断しないこと。

です。

そして、

実際に働いてみて残業が難しいと分かった。

家庭事情が変わった。

残業時間が説明より大幅に増えた。

という場合は、一人で悩まず派遣会社の担当者へ相談してください。

派遣先への相談。

勤務条件の再確認。

部署変更。

別の求人。

など、状況によって対応できる可能性があります。

そしてもう一つ。

働いた時間を残業として扱わない「サービス残業」の問題と、残業を断りたいという問題は別です。

働いた時間について疑問があるなら、必ず確認してください。

残業が多い職場が良い人もいます。

残業がない職場が良い人もいます。

重要なのは、

自分が希望する働き方と、実際の労働条件が合っていること。

派遣会社へ仕事を紹介してもらう段階から、自分の希望を正直に伝えることが、入社後のミスマッチを減らす一番の方法だと思います。

労働条件・職場環境に関するルール
労働条件・職場環境に関するルールについて紹介しています。

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