今回はto C(個人向け)の飛び込み営業に絞り、前回の「①挨拶→②訪問理由→③短い質問」を、実際に玄関先で使えるレベルまで具体化しました。時事ネタは流行だけに依存せず、季節・物価・防災など会話の入口として使いやすいテーマにしています。
飛び込み営業について|to C営業で使える「挨拶→訪問理由→短い質問」の具体例5選
「インターホンを押すのが怖い」
「お客様が出てきた瞬間、何を話せばいいのか分からなくなる」
「せっかく話せても、すぐに断られてしまう」
個人のお客様を対象としたto Cの飛び込み営業をしていると、このような悩みを抱えることがあります。
特に難しいのが最初の30秒です。
お客様からすれば、こちらは突然訪ねてきた知らない人。
最初から商品説明を始めれば、
「営業だ」
「売り込まれる」
と思われ、警戒されても不思議ではありません。
そこで重要になるのが、
①挨拶 → ②訪問理由 → ③短い質問
というシンプルな流れです。
今回は、この3ステップについて具体的に解説しながら、明日からでも使いやすい会話例を5つ紹介します。
to Cの飛び込み営業は「最初の30秒」が重要
個人宅への飛び込み営業では、最初から契約を取ろうとする必要はありません。
最初の目標はもっと手前です。
「この人の話なら、あと少し聞いてもいいかな」
と思ってもらうこと。
そのためには、最初の会話をできるだけ簡潔にします。
基本となるのが、
①挨拶
↓
②訪問理由
↓
③短い質問
です。
難しい営業トークを丸暗記するより、この「型」を覚えておくと会話を組み立てやすくなります。
①挨拶|まず「誰なのか」を明確にする
最初は挨拶です。
ここで大切なのは、変に営業であることを隠そうとしないこと。
例えば、
「こんにちは。突然すみません。○○会社の○○と申します」
これくらいシンプルで構いません。
個人宅の場合、知らない人が突然訪問してくるわけですから、お客様は少なからず警戒しています。
だからこそ、
「誰なのか」
「どこの会社なのか」
を分かりやすく伝えます。
そしてもう一つ大切なのが、
笑顔・声の大きさ・距離感です。
元気すぎる必要はありません。
むしろ、
明るく、落ち着いて、短く。
これくらいを意識してみてください。
②訪問理由|「なぜ自分の家に来たの?」に答える
挨拶の次に伝えるのが訪問理由です。
お客様の頭の中には、
「なぜうちに来たの?」
という疑問があります。
ここを曖昧にして商品説明を始めると、警戒されやすくなります。
例えば、
「現在こちらの地域を回っておりまして、ご挨拶も兼ねて伺いました」
「○○についてご案内しておりまして、近隣を回っています」
などです。
ただし、実際には地域一帯を回っていないのに「この地域を担当しています」と言ったり、近所の人が契約したかのように装ったりするのは避けます。
事実だけを短く伝える。
これが基本です。
③短い質問|商品説明より「聞く」
ここからが重要です。
営業初心者の場合、訪問理由を伝えた直後に、
「弊社の商品は……」
と商品説明を始めてしまいがちです。
ここで一度止めます。
そして、
お客様に一つ質問します。
例えば、
「ちなみに○○で困ることってありませんか?」
「最近○○を見直されたことはありますか?」
「○○について気になることはありませんか?」
などです。
質問することで、お客様が興味を持っているテーマを確認できます。
そして答えてくれた内容から次の会話を考えます。
つまり、
説明→説明→説明
ではなく、
質問→聞く→必要なら説明
に変えるわけです。
すぐ使える例①|物価・生活費から入る
生活に関係する商品やサービスなら、物価や生活費は比較的身近なテーマです。
①挨拶
「こんにちは。突然すみません。○○会社の○○と申します」
②訪問理由
「現在こちらの地域で、生活にかかる○○についてご案内しておりまして、近隣を回っています」
③短い質問
「最近、毎月の○○代が高くなったと感じることってありませんか?」
ここで、
「高くなったね」
という返答があれば、
「やっぱりそうですよね。ちなみに一番気になっているのは○○ですか?」
と一段だけ深掘りします。
ポイントは、
いきなり「安くできます」と言わないこと。
まず、お客様が本当に困っているのかを確認します。
すぐ使える例②|夏の暑さ・電気代から入る
夏場であれば、暑さやエアコンの使用は会話の入口になります。
①挨拶
「こんにちは。暑いところ突然すみません。○○会社の○○と申します」
②訪問理由
「この時期、○○についてお問い合わせをいただくことがあるので、ご案内で回っています」
③短い質問
「今年の夏、エアコンを使う時間って増えていませんか?」
お客様が、
「ずっとつけてるよ」
と言えば、
「そうですよね。電気代についても気になりますか?」
と会話をつなげられます。
季節の話は、お客様も答えやすいのがメリットです。
ただし、天候や気温について断定的なことを言う必要はありません。
「暑いですね」という身近な話題から、本題へつなげる。
それだけで十分です。
すぐ使える例③|防災意識から入る
台風、大雨、地震などへの備えは、家庭でも考える機会のあるテーマです。
①挨拶
「こんにちは。突然失礼します。○○会社の○○と申します」
②訪問理由
「ご家庭の○○についてご案内しておりまして、今日は近隣を回っています」
③短い質問
「ご自宅の防災対策って、最近何か見直されましたか?」
「特にしてないね」
という返答なら、
「そうなんですね。例えば停電したときの備えなどはされていますか?」
と聞いてみます。
ここでも大切なのは、
不安をあおらないことです。
「大きな災害が来たら大変ですよ」
と恐怖心を利用して売るのではなく、
現在どんな備えをしているのか
を確認するための質問として使います。
すぐ使える例④|固定費の見直しから入る
通信、保険、電気、住宅関連など、毎月支払うサービスで使いやすい入口です。
①挨拶
「こんにちは。突然すみません。○○会社の○○と申します」
②訪問理由
「現在、○○の料金についてご案内しておりまして、こちらの地域を回っています」
③短い質問
「毎月払っている○○って、最後に見直したのはいつ頃ですか?」
「もう何年も見直してない」
という返答があれば、
「そうなんですね。料金と内容だったら、どちらのほうが気になりますか?」
と質問できます。
ここで重要なのは、
「絶対に安くなります」と断定しないこと。
条件によって結果が違うのであれば、
「現在の内容を確認して、比較することはできます」
など、事実に沿って説明します。
すぐ使える例⑤|「今使っているもの」から入る
実は、時事ネタがなくても使いやすい質問があります。
それが、
現在使っている商品・サービスについて聞くことです。
①挨拶
「こんにちは。突然失礼します。○○会社の○○と申します」
②訪問理由
「○○についてご案内しておりまして、ご挨拶も兼ねて伺いました」
③短い質問
「ちなみに今お使いの○○で、何か不便に感じるところってありますか?」
非常にシンプルですが、この質問には大きな意味があります。
例えば、
「料金かな」
「古くなってきた」
「特に困ってない」
「使い方が分かりにくい」
など、お客様によって答えが違います。
営業担当者は、その答えを聞いてから次の話を考えます。
お客様自身に困りごとを話してもらう。
これができれば、無理に商品説明をする必要がなくなります。
5つの例に共通していること
ここまで5つ紹介しましたが、共通しているポイントがあります。
それは、
商品から会話を始めていないことです。
例えば、
「この商品は○○円です」
「今ならキャンペーン中です」
「非常に人気があります」
とは始めていません。
まず、
お客様の生活→質問→悩みを知る→商品
という順番で進めています。
営業担当者が伝えたい順番ではなく、
お客様が考えやすい順番
で会話することが重要です。
時事ネタを使うときに注意したいこと
時事ネタは会話の入口として便利ですが、使い方には注意が必要です。
特に、
「ニュースで○○と言っていました」
「これから○○になるらしいですよ」
と、不確かな情報を営業トークに利用するのは避けましょう。
また、
「みんな契約しています」
「この地域でもほとんどの家が見直しています」
など、確認できない話を事実のように伝えるのもよくありません。
時事ネタは商品を売るための根拠ではなく、
お客様と会話を始めるきっかけ
として使います。
季節、生活費、防災、電気代など、お客様が身近に感じられる話題から質問につなげる程度で十分です。
「興味ありません」と言われたらどうする?
どれだけ工夫しても、
「興味ありません」
「必要ありません」
と断られることはあります。
これは飛び込み営業なら当然です。
そこで無理に、
「少しだけお願いします」
「話だけでも聞いてください」
と押し続ける必要はありません。
例えば、
「承知しました。突然の訪問にもかかわらず、ありがとうございました」
と終わる。
これも立派な営業です。
お客様が明確に断っているのであれば、それを尊重することも大切です。
営業への第一歩|「質問を5個」準備してから訪問する
飛び込み営業で、
「何を話せばいいか分からない」
と悩んでいるのであれば、営業トークを丸暗記する前に、
質問を5個準備してみてください。
例えば、
「最近○○代って気になりますか?」
「○○を最後に見直したのはいつですか?」
「今使っている○○で不便なことはありませんか?」
「○○を選ぶとしたら何を一番重視しますか?」
「もし変えるとしたら、どんな条件なら検討しますか?」
そして、全部質問する必要はありません。
一つ聞いて、答えを聞く。
その答えから次の質問を考えます。
これだけでも営業は大きく変わります。
まとめ|飛び込み営業は「話す準備」より「聞く準備」
to Cの飛び込み営業では、話すことばかり考えてしまいがちです。
しかし、本当に準備しておきたいのは、
何を聞くかです。
基本は、
①挨拶
「こんにちは。○○会社の○○です」
↓
②訪問理由
「○○についてご案内しておりまして、伺いました」
↓
③短い質問
「ちなみに○○で困ることってありませんか?」
この流れを作ります。
そして、お客様が答えてくれたら、
すぐに商品説明を始めない。
「なぜそう感じるんですか?」
「どの部分が一番気になりますか?」
と、もう少し聞いてみる。
営業は、たくさん話した人が勝つ仕事ではありません。
お客様が話してくれたことの中から、提案する理由を見つける仕事です。
明日の飛び込み営業では、
「今日はうまく説明しよう」
ではなく、
「今日は一つ、お客様の話を聞こう」
と考えて玄関に立ってみてください。
その小さな変化が、飛び込み営業を変える第一歩になるはずです。
